昨年末、発売と同時に大きな反響を呼んだ広河氏への女性7人の告発。「セックス要求」「ヌード撮影」などの被害を読んだある女性から、新たな告発が寄せられた。そこには、前回記事よりもさらに苛烈な、女性を「性の玩具」として扱う、おぞましい実態があった。(文=田村 栄治)
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「涙が出ました、やっと救われます」。フォトジャーナリスト広河隆一氏(75)の性暴力を告発する本誌記事(1月3日・10日号)を読んだ首都圏の主婦から、そんな言葉で始まる被害証言が編集部に寄せられた。「墓場まで持っていくつもりでした」という彼女の口から語られたのは、人権尊重を掲げてきた写真家の行為とは想像しにくい、おぞましい性暴力の実態だった。
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前回記事にも増して衝撃的な悪質さ
“人権派”ジャーナリストとして国内外で知られ、報道写真誌「DAYS JAPAN(デイズジャパン)」(以下DAYS)を15年間発行してきた広河隆一氏。彼が立場を利用し、DAYSのスタッフやボランティアの女性たち7人に性暴力・セクハラを働いていたことを、私は本誌1月3日・10日号で報じた。
これを受け広河氏は、「私の向き合い方が不実であったため、このように傷つけることになった方々に対して、心からお詫びいたします」とのコメントを発表。DAYSを発行する会社と、福島の子どもたちの保養に取り組むNPOの役職を解かれたと述べた。
性加害者としての実像を暴かれ、すでに社会的地位や名誉を失墜した人物に追い打ちをかけるような報道は、妥当なのか――。今回の記事を書くにあたり、私にはためらいもあった。
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source : 週刊文春 2019年2月7日号