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「悪い奴とは思えない」投資詐欺キングをかばう元自民党三役

「週刊文春」編集部
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 自ら「KING」と名乗り、歌手や宮司などの顔も持つ投資関連会社「テキシアジャパンホールディングス」の実質的経営者、銅子正人容疑者(41)が2月13日、愛知県警などに詐欺容疑で逮捕された。中高年女性を中心に全国約1万3000人から約460億円もの巨額資金を集めた彼の人脈は、元自民党三役から暴力団関係者まで、縦横無尽に張り巡らされていた。

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 愛知県警関係者が語る。

「テキシアは、銅子を頂点として、地域ごとに勧誘のリーダーを置くピラミッド型の構造になっています。今回逮捕された10人の幹部のなかで、立ち上げメンバーの一人が山口組弘道会系の武闘派組織の幹部だった中村外喜治でした。彼が岡山県警OBの三好輝尚をグループに紹介。『一口100万円で、月3%の配当』というあり得ない投資話でしたが、三好から『借用書をとれば、集めた金を返せなくても、返済の意思はあったと主張することで民事債務不履行で逃げ切れる』と指南を受けていたようです」

 銅子は福井県出身。地元ではサッカー少年として知られ、愛知県の中京高校に進学、阪南大学時代は天皇杯や大学選手権にも出場した有望選手だった。

「トレーナー業を経て、投資会社を始めた頃には半グレ集団の関東連合の関係者と接点があり、銀座の高級クラブで派手に飲み回っていました」(銅子の知人)

 2013年にテキシア設立後は、全国でセミナーやイベントを催し、巧みな話術で中高年女性の出資者を惹き付けていった。

2017年にはCDデビューも(会社パンフより)

「銅子の地元、福井はとくに被害者が多く、15年には彼自身が監禁致傷の被害に遭っています。福井で連れ去られ、大阪のホテルで発見されたのですが、銅子は被害届を出さなかった。妻と子供はマレーシアに逃がしており、常に身の危険と隣合わせの状態だったようです」(福井県警関係者)

愛人は“福井のセレブ”としてTV出演

 銅子の取り巻きには、億単位のカネを貢いでもらった愛人もいたという。

「福井でラウンジを経営していた30代の愛人で、約5年前から交際。彼女のエステ店や、彼女の父親が福井の繁華街で経営している飲食店は、出店時には銅子が金銭的に支援していた。彼女は数千万円のハリー・ウィンストンの時計をつけ、歯のインプラント治療に数百万円を掛けるなど生活も一変。マツコ・デラックスの番組に“福井のセレブ”として出演したこともある」(福井の飲食店関係者)

銅子の愛人(店のSNSより)

 この愛人は約一年前に福井の店を閉め、銅子の誘いで大阪・北新地の高級クラブで働き始めており、テキシアの詐欺マネーの行方を知る一人とみられている。

 テキシアは17年9月に配当が停止したことで、破綻状態に陥っていくが、その前後に銅子と頻繁に行動をともにしていたのが、元自民党総務会長で、防衛相も務めた久間章生氏だ。

「今でも悪い奴とは思えなくて……」

 久間氏は“広告塔”としてテキシアの出資者が集うカラオケパーティーなどのイベントにも参加していたとされる。久間氏本人は銅子についてこう語る。

「5年ほど前に北京で知り合い、その後、ミャンマーの戦没者慰霊祭に一緒に行ったり、セミナーなどにも参加しました。僕は一切報酬は貰っていません。彼は人を説得する力が強くて、歌も上手かった。今でも悪い奴とは思えなくて、正直びっくりしています。取り巻きに利用されたのかな」

広告塔となった久間氏

 テキシアは一時、ロシアのサハ共和国のダイヤモンド採掘事業を投資の謳い文句にしていたが、出資者を集めてサハ共和国を訪れた17年8月のツアーにも久間氏は参加している。

「あれは僕がサハ共和国関連の団体の代表理事として計画したものに、銅子氏が乗っかって来ただけ。僕は彼に誘われて、サッカーの元ブラジル代表、エジミウソンに会いにバルセロナにも行ったことがあります。その後、銅子氏の仲間の一人がエジミウソンを沖縄に招聘して、サッカー教室をやるというので、沖縄にも一緒に行った」(同前)

 実は沖縄もまた、テキシアの“草刈り場”となっており、彼ら広告塔が果たした役割も決して小さくはないと言えそうだ。

 現在、銅子は大阪の大物ヤメ検弁護士を付け、「会社運営は適正だった」と容疑を否認しているという。

source : 週刊文春 2019年2月28日号

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