星稜(石川)の林和成監督(43)は、自身も同校のOBであり、1歳上の松井秀喜氏と共に甲子園に出場した球歴を持つ。正遊撃手だった27年前の夏、あの騒動の時も渦中にいた。
「今回の件は私の中で、(高知・明徳義塾が松井氏に対して採用した)5打席連続敬遠より酷いことだと思います。敬遠はルールの中で許されていること。しかし、サイン盗みは禁止されている。この問題を放置して、正直者が馬鹿を見ることだけは避けなければならない。フェアじゃないと思います」
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“事件”が勃発したのは3月28日に行われた選抜高校野球大会の2回戦、習志野(千葉)対星稜の試合後だ。星稜は151キロ右腕の奥川恭伸を擁し、優勝候補筆頭に目されていたが、1対3で惜敗。すると林監督は相手控え室を二度にわたって訪れ、習志野ナインの「サイン盗み」があったとして小林徹監督(57)に猛抗議したのだ。報道陣環視の状況だったため、大騒動に発展した。
翌朝、林監督は日本高等学校野球連盟に謝罪の電話を入れ、一度は刀を鞘に収めた。しかし、「星稜さんもやっているでしょ?」という小林監督の一言が、二度目の控え室訪問にいたった理由だと新たに明かし、報道陣は再びざわついた。
筆者はその翌日、金沢市にある星稜グラウンドを訪ねた。林監督は「頭に血が上って冷静さを欠いた行動だった」と自戒する一方、怒りは消えていなかった。
「習志野の選手には、大会期間中で試合も続くのに、迷惑をかけてしまった。その点に関しては謝罪したい。ただ、私が問いたかったのは、指導者のモラルです。甲子園での野球というのは、高校野球のお手本、教科書にならなければいけない。そんな場所で、サインを盗むような選手の行為を指揮官が許容していたら、野球の魅力は低下し、子供たちの野球離れがより進んでしまうのではないでしょうか」
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source : 週刊文春 2019年4月11日号