あの夏、吉田輝星は覚醒した〈金農ナイン、父が証言〉

中村 計
エンタメ スポーツ

 昨夏、東北の雑草軍団を甲子園の決勝戦に導いた右腕は、秋、ドラフト1位の栄誉を勝ち取り日本ハムファイターズに入団した。そして、球春到来の今はファームで力を蓄えている。生意気でめんこい“ビッグマウス”は、どうやってここまで成長したのだろうか。

◆◆◆

 旧友は、相変わらずのビッグマウスだった。

 昨年夏、秋田大会の開会式直前のこと。秋田南高校の小野滉翔は、金足農業高校の吉田輝星(こうせい)を見つけると、自ら話しかけに行った。小野と吉田は小・中学校時代、計6年間バッテリーを組んだ仲だ。

高校は別の道に進んだ小野

 小野が「おお」とあいさつすると、吉田はニヤニヤしながら言った。

「これから秋田で勝って、全国優勝しようとする相手に、よく話しかけられたもんだな」

 一緒に写真を撮ろうと提案すると、さらに調子付いた。

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source : 週刊文春 2019年4月11日号

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