富山県の地元紙だけが報じた三大行幸啓での小さなハプニング。だが、その意味は重い。来月82歳の誕生日を迎えられる天皇は、美智子さまと毎朝、「スロージョギング」をなさっているというが、ご健康面を心配する声は宮内記者を中心に静かに広がっている。
※「週刊文春」創刊60周年企画「もう一度読みたい、あのスクープ記事60本」より、アンケート得票数の高かった記事を特別再録します。本記事は 2015年11月12日号より転載。記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のものです。
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「すべては壇上で起きたことで、その場にいた全員が目撃しました。一般の観衆はちょっとしたハプニングだと捉えたようです。しかし、天皇陛下の為さりようを長年拝見してきた記者なら、いま我々の目前で起きていることは非常に重い意味を持つのではないかと、深刻に受け止めたはずです。だからこそ、宮内記者会は侍従だけでなく次長に対しても、詳細な説明を求めた。
ただ、この“事件”を報じることは、取りも直さず陛下の健康問題について指摘することに繋がる。これは非常にデリケートな問題であり、やむを得ず報道するのを見送りました。各社ともそう判断したのだと思います。地元紙二紙だけが外形的事実を報じています」(宮内庁担当記者)
それは10月25日、富山県で開かれた「第35回全国豊かな海づくり大会」の式典行事に天皇皇后が臨席されたときのことだった。
“事件”の詳細の前に、まずはこの「全国豊かな海づくり大会」がいかに天皇皇后にとって特別な行事であるかを説明せねばなるまい。同行事は天皇皇后が地方へお出ましになる毎年恒例の「三大行幸啓」のひとつだ。
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source : 週刊文春 2015年11月12日号