文春オンライン

「“裏庭の肉屋”始めました」米野智人がメラドにお店を出したワケ

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/03/26
note

“お肉一択”から選択肢を

「BACKYARD BUTCHERS」のテーマは「食と環境」です。なんで「食と環境」で、ビーガンになるんだろう? そう思ってくれた人が、ネットなどで調べてくれればうれしいです。僕のお店を通じ、何か“考えるきっかけ”になればと思っています。

 今、世界的に地球の環境問題が大きなテーマになっていますよね。僕はNetflixのドキュメンタリーをいくつか見て、自分が携わっている食の仕事が結果的に地球に対して優しくないことをしていると知って、すごく考えさせられました。それでビーガンというライフスタイルがすごく気になり、2017年から下北沢で開いていたお店の店名と内容を2020年春にリニューアルしました。

 アメリカやヨーロッパではビーガンを実践し、環境問題に意識的な人たちが多くいます。こうした思想は日本でもこれから広まっていくと思うので、僕のお店を通じて貢献できればと考えています。

ADVERTISEMENT

 一方、アスリートの視点から見ると、動物性より植物性の食材を摂ったほうが力につながりやすいということもあります。お肉は消化するのに時間がかかるし、ものすごく体力も使う。お肉のような酸性食品ばかり摂りすぎると、血液の循環に影響があるという指摘もあります。

 対してビーガンが肉の代わりに食べる大豆は、タンパク質の含有量が多いです。世界トップのアスリートやボディビルダー、格闘家にもビーガンは結構いて、肉体のコンディションを整える上でも効果があります。Netflixの「ゲームチェンジャー:スポーツ栄養学の真実」というドキュメンタリーで詳しく紹介されているので、特にアスリートは見てほしいですね。

 ファンの皆さんには、“プロ野球選手は焼肉が大好き”というイメージがあるかもしれません。確かに焼肉は美味しいですよね。

 でも、筋肉をつけるために必要なタンパク質を摂取する際に“お肉一択”だったところから、選択肢を増やしたい。元プロ野球選手の僕がプロ野球のスタジアムからそんな発信をするのは面白いのではと考えて、今回、メットライフドームにお店を出させてもらいました。

オープンした3月16日は行列ができた ©中島大輔

お肉っぽいけど、お肉じゃない

 植物性の食材でも十分に食べ応えがあることは、一度試してもらえればわかると思います。お肉に近い食感のものを、大豆を使って作っています。食べた感じはお肉っぽいけど、お肉じゃないんだという驚きがあるし、サッパリした味で食べやすいと思います。

 オススメのメニューは……全部です(笑)。お腹が空いている人はフライドソイチキンボウルかフライドソイチキンサルサボウル、カツレツボウルのどれかを頼んでいただければ、食べ応えと満足感があると思います。ボウルは丼のことで、雑穀米を使っているので栄養価が高く、豆の食感も楽しめます。

 小腹が空いた人には単品もあります。ビールに合わせるなら単品のフライドソイチキン、フライドソイチキンサルサ、あとはスマイルポテト。暑くなってきたら、飲み物のオススメはホームメイドレモネードとホームユズネードです。酸味と程よい甘みがあり、僕もよく飲んでいます。

フライドソイチキンボウルとホームメイドレモネード ©中島大輔

 自分で店に立っていても実感しますが、リニューアルされたメットライフドームにはすごく楽しい雰囲気が漂っています。オープン戦で来た人は実際にそう感じているでしょうし、開幕後に行くのを楽しみにしている人も多いと思います。

 球場で野球を見るのはもちろん楽しいですが、それ以外にも楽しみはたくさんありますよね。その一つが食事だと思います。

 新しく生まれ変わったボールパークに、今までなかったタイプの食事を通じて楽しみを加えたい。そんな思いを込めて、「BACKYARD BUTCHERS」をオープンしました。

 僕もしばらく店に出ているので、ぜひ遊びにきてください! ピンクのお店なので、球場のどこからでも一目でわかると思います(笑)。

構成/中島大輔

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2021」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/44313 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

「“裏庭の肉屋”始めました」米野智人がメラドにお店を出したワケ

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!