2月10日発売の『文藝春秋』で報じた自民党京都府連の選挙買収問題が一向に収束する気配を見せない。記事では、自民党候補者が選挙区内の府議・市議に50万円を配るという選挙買収の実態を明らかにした。また京都府連の元事務局長が作成した《引継書》を公開。ここで【選挙区支部(国会議員)】→【京都府連】→【府議・市議】という50万円配布のスキームが「マネーロンダリング(資金洗浄)」と記されていたことも報じた。
2月14日の衆院予算委員会では、二之湯智・国家公安委員長(参院京都選挙区)が野党から激しく追及を受けた。二之湯大臣は選挙買収を否定しながらも、「(960万円は)私の思いで寄付をさせていただいた」と曖昧な答弁を繰り返し、国会が紛糾する事態となった。
また自民党京都府連の会長である西田昌司参院議員は、地方議員に配布した金について「党勢拡大のためであり選挙のためではない」と繰り返す。
新たに入手した「2つの内部資料」
だが、新たに筆者は両者の言い分を覆す自民党府連の内部資料を入手した。注目すべきデータは2つある。そのひとつが《平成24年 総選挙関連収支》と題されたExcelファイルだ。
実際、平成24年12月16日に衆議院議員総選挙が行われているが、このファイルは総選挙における自民党府連の資金の出入りがまとめられた資料である。
〈収入〉欄には〈寄付交付金 11月 選挙区支部 ¥24,000,000〉、〈支出〉欄には〈寄付公金 11月24日 活動費 議員 ¥24,000,000〉とある。ここから自民党候補者から2400万円の資金が京都府連に一旦入り、京都府連から地方議員に同額を支出されていることが分かる。また、すでに京都府連などの収支報告書によって、50万円が48人の府議・市議に配られた事実は確認済みである。
つまり、この新資料によって、50万円は選挙のために配られており、その原資は自民党候補者の資金であると、明確に裏付けられるのだ。
決定的資料は他にもある。