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 平成25年の参院選についてまとめられた《参議院議員選挙収支》というファイルも見てみよう。

新たに入手した《参議院議員選挙収支》

 平成25年7月21日に行われた参院選は、西田氏が出馬した選挙である。『文藝春秋』記事でも解説したが、参院選の場合、50万円を、30万円と20万円と二分割してわたすことが多い。 

収入と支出に〈1470万円、980万円 ※相殺〉

 まず〈収入〉欄。西田氏が代表を務める〈参議院第四支部〉から1470万円と980万円、計2450万円が支払われていることがわかる。〈支出〉では〈府市会議員 30*49名 相殺 H24〉、〈府市会議員 20*49名 相殺〉と記されている。これは参院選挙において京都府連が地方議員に30万円と20万円を2回に分けて配っていることを示している証拠なのである。

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〈収入〉欄には、〈参議院第四支部〉から1470万円と980万円、計2450万円の記載
〈支出〉欄には、〈府市会議員 30*49名 相殺 H24〉、〈府市会議員 20*49名 相殺〉

プロパティには京都府連の経理担当者の名前が

 これら2つのExcelファイルの「プロパティ」を確認すると、いずれも、会社名「自由民主党京都府支部連合会」とあり、作成者「藤山裕紀子」とある。藤山氏は現役の京都府議であり、「平成26年の府議補選まで、京都府連職員として経理を担当していた」(自民党議員)という。2つのファイルは選挙翌年に開催される府連会合前に、会長、幹事長ら一部幹部への説明のために作成された資料である可能性が高いという

 藤山府議にExcelファイル作成について質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

Excelのプロパティ画面には、会社名「自由民主党京都府支部連合会」、作成者「藤山裕紀子」

 前回の記事では、平成26年の総選挙前に作成されたいわゆる「買収リスト」の存在を報じた。衆院選挙区内の地方議員がリスト化されており、候補者が配るべき金額が「〇〇人×50万円=〇〇〇万円」と記されている。

平成26年衆院選の「買収リスト」

西田氏はYouTubeで「事実無根」と反論

〈引継書〉を作成した京都府連の元事務局長は、筆者の取材にこう証言している。

「僕はずっと見ていた中でね。府連のほうに入ってきて、いわゆるマネーロンダリング、資金洗浄だからね。(私から)見たら純粋に(地方議員が)選挙の応援をしている訳じゃなしに、金で動いているという話。今の時代、そんなことすべきではないとは思っている」

〈引継書〉〈買収リスト〉、そして今回入手した2つのExcelファイル。いずれも選挙買収が京都府連で組織ぐるみで恒常的に行われていたことを示している。そして複数の地方議員が昨年の衆院選でも50万円を受け取ったと証言しているのだ。

 一連の選挙買収疑惑に対して、西田氏はYouTubeの「西田昌司チャンネル」で「事実無根」と反論した。しかし西田氏は持論を述べるだけで、数多くの証言・物証について十分な説明をすることはしていない。京都府連会長である西田氏は、公の場で全てを明かす責務があるはずだ。

西田昌司氏

 2月10日発売の月刊「文藝春秋」3月号、および「文藝春秋 電子版」では、この選挙買収問題を詳報している。金を受け取った候補者や地方議員の証言に加え、議員名と金額が記された「選挙買収リスト」などの内部文書を公開。さらには、京都府連会長であり、この選挙買収のスキームを作ったとされる西田参院議員の疑惑についても報じている。

文藝春秋

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