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【ケース3】「任意加入」の明記を提案するも……/Mさんの場合

 子どもたちが不登校で、保護者会の日程すら知らぬまま会を欠席したところ、突然「クジで推薦委員(次のPTA役員を選び、推薦する役割)に選ばれた」と担任の先生から連絡があったと語るMさんは最近PTA退会を決めた一人。

 初回の集まりでは、みんなの「やりたくないオーラ」に耐えかねて、委員長を引き受けることにしたそう。ですが、いざやってみると、周囲は「免除」目当て(役員などをやった人は、以降卒業まで役を“免除”される、というルールがあった)で、いやいや参加している人ばかりでした。

 コロナ禍でますます不登校が増え、苦しんでいる子どもたちが多いいま、やるべきことはPTAの負担を減らし、親が子どもと向き合う時間を確保することではないのか? そう考えたMさんは、翌年度、自ら本部役員を引き受け、活動の負担軽減をはじめとした、PTAの適正化に取り組もうとしました。

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 Mさんが参加していたPTAには入会届はあったものの「形だけ」で、保護者は全員加入する前提となっていました。疑問を抱いたMさんは、周囲の様子をうかがいつつ、入会届に「任意」という言葉を入れることを提案したのですが、ほかの役員さんたちからは理解してもらえず。校長が会員=会費が減ることをおそれ、「任意」と明かすことに難色を示していたのが影響したようです。

 役員内でMさんへの風当たりは強くなるばかり。このままでは悪しき慣習を何も変えられそうにありません。そこで、Mさんは自らPTAを退会して非会員となりました。任意加入の前提を周知・理解してもらえるよう、その後押しとしての行動でした。

PTAは簡単にやめられるもの?

 以上、紹介したのはほんの数例ですが、筆者が取材したなかでは、こんなふうに役員決めの横暴や、PTAの変わらなさに見切りをつけて退会を決める人が多かった印象です。

©iStock.com

 もちろん、理由なく退会したってよいのですが、どうするか迷っている方は、ひとまずお子さんの学校のPTAの役員決めの方法や、活動ルールを確認してみてはいかがでしょうか。

 選択の余地なく活動等を強要される団体なら、無理に入ることはないでしょう。もし事前に確認できなければ、ひとまず入って様子を見てから、後で退会することも可能です。