「汗を流していきませんか?」お客さんを置屋に連れていき…
Aさんの投稿にも《お客さんとお風呂入りという名の混浴を強いられた》とある。Bさんも「お風呂入り」という制度についてこう話す。
「昔は、舞妓に金銭面でサポートしてくれる『旦那さん』が初めてついた時、その男性に処女を捧げることを《水揚げ》と言ったそうですが、同様のことが今も行われていると思います。舞妓の旦那さんになってくれそうな男性を見つけると、置屋を仕切るお母さん方や先輩の芸妓が『汗を流していきませんか?』と誘って置屋に連れていき、帰ってきた舞妓と強制的に混浴させるのです。それを『お風呂入り』と言います。
私はやったことがないので、中でどのようなことが行われていたのか知る由もありませんが、お風呂入りをした時点で、短期にしろ長期にしろ、旦那さん契約をする場合が多かったです」
半ば強制的な「旦那さん契約」も…
一人前の舞妓になるには、着物や装飾品、伝統芸能の習い事など莫大な金がかかる。「旦那さん制度」とは、置屋と契約して多額の金を払い、ひいきの舞妓のパトロンとなって彼女たちをサポートするという契約を指すのだという。
「お母さん方は、旦那さんから払われた金を、舞妓の生活費や修業にかかる費用に充て、本人には月々のお手当を渡します。お手当の金額はお茶屋さんと本人、お客さんの三者で取り決めるのがうちの町の基本的なやり方でした。
他にもマンションを準備したり、着物を買ったりといった援助をしてくれる方もいますね。ありがたい存在なのですが、中には性的な目的を抱くお客さんもいるし、お金のためにお母さんに無理やり契約させられるケースもあります」(同前)
Aさんのツイートにある《5000万円で処女を売られそうになった》ということも、それにあたるのだろうか。前出の中年男性客もこう証言する。
「一部の置屋で『旦那さんをとらないと花街においておけない』と、半ば強制のような形で契約させられた舞妓がいるという話を耳に挟みました。『旦那さんを取るのが嫌であの子辞めたらしいわ』という噂も聞いたことがあります。
でもひとつ言っておきたいのは、ほとんどの方が純粋に舞妓さんを応援する後見人となるために契約を結んでいるんです。ただ、性的搾取を目的とした契約がないとは言い切れない。お座敷遊びの場でも、舞妓さんの着物の身八ツ口から胸元に手を入れるといった、ふさわしくない行為を目撃したこともあります。
本来はそういった性的被害から舞妓を守る立場の置屋さんが、お金のために舞妓さんの人権侵害に加担し、あるいは見て見ぬふりをしているのだとすれば……それは、許されないことだと思います」