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高速道路の渋滞で「下道への迂回」は逆効果? 実践しているドライバーがあまりに少ない“渋滞対策の本質”

高速道路の渋滞で「下道への迂回」は逆効果? 実践しているドライバーがあまりに少ない“渋滞対策の本質”

2023/05/02

genre : ライフ, , SDGs

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 仲間内や家族とのドライブであれば、口頭でできるゲームをいくつか考えておいてもよいだろう。心理テストの類いは話を広げるきっかけになるし、発想の飛躍が求められる大喜利などもいいかもしれない。目の前の状況から気分を解放してくれる遊びを見つけたい。

 渋滞でなかなか車から降りられないときは、エコノミー症候群などに陥らないよう、意識的に体を動かしていこう。シートに座りながらでも、足首をぶらぶら動かしたり、フロアにつま先をつけたまま踵を浮かせたり、ふくらはぎを手で揉んだりと、とくに下半身の血流が滞らないよう気をつけたい。こまめな水分補給も重要だ。筆者は運転中、尿管結石の激痛に襲われ地獄のような思いをしたことがある。同じ姿勢での長時間運転には思わぬ危険が潜んでいる。

「意図せぬ減速」が渋滞につながる

 混雑期間中に高速道路を走る際にはとくに、みずからが渋滞の原因とならないよう意識することも大切だ。渋滞は概して「ブレーキの連鎖」によって生じる。個々のドライバーが車間距離を十分にとり、速度を一定に保つことが全体としての渋滞緩和につながっていく。

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 簡単なことのように思えるが、速度を一定に保てているドライバーは思いのほか少ない。とりわけ気づかないうちに減速を引き起こすのが、「サグ部」と呼ばれる勾配が上りに切り替わるポイントだ。東名の大和トンネルや、関越の高坂SA、中央道の相模湖ICをはじめ、渋滞多発地点にはこのサグ部がつきものである。そのようなポイントにおいては、勾配変化を知らせ、加速を促す表示がなされているので、意識して速度をキープしていきたい。

 その他、合流地点もブレーキが発生しやすいポイントである。合流側がしっかりと加速しておくことはもちろんだが、本線側の車両も車間距離を十分に保ち、状況に応じて左車線を空けるなど、合流しやすい状況を積極的に作っていくことが望ましい。

 なお、渋滞時の合流方法としては、合流車線の先端部で1台ずつ本線に加わっていく「ファスナー合流(ジッパー合流)」がもっとも効率がよい方法とされており、NEXCO中日本の施策(https://www.nextmobility.jp/economy_society/nexco-central-japan-verifies-the-effect-of-the-first-high-speed-fastener-merger20200227/)によっても効果が確認されている。先端部で合流することに対して疚しさを感じるドライバーもいるかもしれないが、混雑緩和のためだと思って堂々と先頭まで進んでいこう。