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中野、木浪、小幡…阪神タイガースの二遊間が“アライバ”を超える日

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 文春野球読者のみなさん、はじめまして。芸人やってます、ニッポンの社長 辻と言います。世間的には若手芸人ですが、阪神ファン歴は約30年。ファンとしてはまぁまぁベテランの域に達してきました。阪神のことだけを勝手に語るYouTubeチャンネルもやっています。こちらは芸人としてと言うより、ただの阪神ファンとしてやってます。

 この記事もただの阪神ファンが好き勝手に書いてると思ってご一読いただきたいです。今回は阪神タイガースが誇る“二遊間”について書かせていただきました。

木浪聖也と中野拓夢

“アライバ”の2人に、どれだけの得点を奪われ、どれだけの得点を阻止されてきただろうか……

“アライバ”――。

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 プロ野球ファンなら誰もが知っている言葉だろう。中日ドラゴンズの黄金期を支えた二遊間、荒木雅博選手・井端弘和選手のコンビを指す略称である。

 彼らは華麗な守備を魅せる二遊間コンビであると同時に、打順も主に1、2番を打つコンビでもあったので、攻守に渡って事あるごとに「アライバ」とひとくくりにされて呼ばれる事が非常に多かった記憶がある。

 僕のように中日ドラゴンズ以外の球団のファンからすると、当時このコンビに数多くの得点を奪われ、数多くの得点を阻まれたので、

「顔も見たくない」

 と、言葉に出しても足りないくらいの存在だったと思う。

 そしてこのアライバがそうであったように、プロ、アマに限らず、素晴らしい二遊間がいる事が強いチームの証明と言っても過言ではない、それほど重要なポジションだと思う。

 大の阪神ファンの僕でさえ、野球ゲームで友達と対戦する時にはアライバを擁する中日ドラゴンズをチョイスしていたのだ。ここだけの話。

 あの守備が、プレーしていて気持ち良いのだ。

 岡田監督は就任前から「二遊間は守備」とメディアで明言してきた。これはアライバファンの僕からしたら(ファンなんかい)、期待しか無い発言だった。

 少しデータを見てみよう。守備が上手いという事に関してデータを通して分かる事は「エラーの数」と、「どれだけアウトを取ったか」だと思う。エラーの数というのは個人的に本拠地のグラウンドが土か芝かによって変わったりするという考えがあるので、今回はアウトの数に注目したい。

 アライバが最もアウトを取った年は2005年。優勝こそ阪神に譲ったがリーグ2位。この年に2人が取ったアウトが実に1590。これは二遊間のNPB史上歴代1位の記録である。(歴代2位も2009年のアライバ)

 ちなみに昨年2022年の阪神タイガースの二遊間が取ったアウトの数は1448。

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