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「人間のサイズではない…」オーダースーツ会社社長が語る、プロ野球選手の“驚異の肉体”

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/09/14
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「人間のサイズじゃない……」スーツづくりのプロが驚愕するプロ野球選手の肉体

 実際に、スーツをお仕立てする際には選手の方々も採寸させて頂いて、200着以上をすべて「オーダーメイド」で仕立てています。

 スーツの採寸をする際にはヌード寸といって、裸のサイズをまず取ります。そのうえで、スーツの寸法とヌード寸に、どこにどれくらい“ゆとり”を持たせるのか。これが採寸の腕なんです。

 もちろん、そこには選手の方の好みも反映します。限りなく体のラインに沿うようにタイトに仕上げるのか、少しゆとりを持たせて動きやすくするのか――。そのあたりも、個人個人にヒアリングしながら仕立てていきます。

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 ですが、そこはやはりプロ野球選手。一筋縄ではいかないことも多々ございます。

 まずは、その体型。アスリートですからいわゆる「一般のお客様」のそれとはワケが違います。特に驚くのが、腕回りまで入れた「オーバーバスト」のサイズです。

 選手によってはオーバーバストが260~280センチくらいあります。語弊があるかもしれませんが、正直に言って「人のサイズ」ではないです(笑)。胸板が厚いのはもちろん、腕回りも常人離れした太さでなければ、こんな数字にはなりません。

 数字を見て「いや、さすがに測り間違いじゃないの?」と思うことも多々ありますが、実際にそれだけのサイズがあるのだから驚きです。

 弊社は年間で12万着ほどオーダースーツを販売していますので、そのすべてのパターンの採寸データがコンピュータに残っています。それでも、実際に採寸した数字を打ち込むと「エラー」が出てしまうことがあります。つまり、数十万というデータが蓄積されたコンピュータですら「この採寸は間違っている」と判断してしまう。そのくらい、規格外の体型の方が実際にいらっしゃるわけです。

 そのわりに、ウエストは絞れている選手もいるので、そのあたりのバランスをとるのはスーツづくりのプロとしても非常に難しい部分だと感じています。

 ちなみに、下半身の採寸でもウエストとヒップの差を「ドロップ差」というのですが、ここの差も大きすぎて「エラー」が出ることがあります。ドロップ差に関しては野球選手よりもサッカー選手のほうが大きい傾向が強いですが、そもそものサイズが規格外なので、スーツを仕立てるうえでもかなり気をつかう部分です。

 改めて、「プロ野球選手の肉体」のすさまじさを実感します。

 おそらくですが、阪神タイガースの選手の方々は、今シーズンのオフ、スーツを着て色々な場に出るケースが増えるのではないでしょうか。

 その際に、弊社の「タイガースモデルスーツ」を着用して頂ければ、これほどの喜びはございません。

 冒頭で申し上げた通り、アスリートにとってのスーツは「地域の英雄」「国の英雄」の象徴でもあります。弊社もタイガース様からの「どこに出しても恥ずかしくない」という要望にしっかりとお応えした自負がございます。

 ファンの皆様も、もし宜しければ甲子園球場で選手が身にまとう縦ジマのユニフォームだけでなく、ビシッと着こなした「スーツ姿」にも注目してみてください。

 こだわりの詰まったオーダーメイドの「タイガースモデルスーツ」ですから、きっと、見て頂いた方全員に「プロ野球選手ってスーツ姿もかっこ良い!」と思ってもらえるはずです。

始球式を行う筆者 ©佐田展隆

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