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10代でヤクザの性奴隷、20代で指名手配犯…二度服役の元レディス総長がビジネスホテルを"一棟買い"したワケ

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genre : ビジネス, 働き方, 社会

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2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。キャリア部門の第4位は――。(初公開日:2023年6月9日)

日本における再犯率は48.6%と高い。そんな中、注目されているのが出所者の社会復帰サポートを目的に雇用を行う「協力雇用主」だ。栃木県の建設請負会社・大伸ワークサポート代表取締役の廣瀬伸恵さんはそのひとり。自身も中学時代以降に荒れた生活で二度服役した。その波乱万丈の半生と人物像を『人生上等! 未来なら変えられる』(集英社インターナショナル)で描いたノンフィクション作家の北尾トロさんが廣瀬さんの最新事情をリポートする――。

二度服役し獄中出産した元レディス総長の社長の生き様

2007年に発刊された『裁判官の爆笑お言葉集』(長嶺超輝 幻冬舎新書)が再び脚光を浴びている。裁判官が法廷で被告人に語りかけた発言を集めたものだが、そのひとつにこんなものがある。

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「私があなたに判決するのは3回目です」

覚せい剤常習者への、うんざりした気持ちが込められているようで笑ってしまうが、裁判官が自嘲気味に言った言葉でもあると思う。裁判の目的は、悪いことをした人に罰を与えるだけでなく、再び悪事に手を染めないよう反省し、立ち直ってもらうことなのに、過去の裁判で裁判官がかけた言葉は効き目がなかった。その無力感が、この発言を味のあるものにしている。

法務省の「再犯防止推進白書」令和4年度版によると、2021年の再犯者率は48.6%。およそ2人に1人が再び犯罪をおかして捕まるのは尋常とは言えないだろう。

しかし、再犯者率の高さには本人のせいとばかり言えない事情もある。更生を誓って少年院や刑務所から出所しても、住む家や仕事、お金、サポートしてくれる人など、人生をやり直すために必要なものがなかったらどうすればいいのか。ただでさえ、世間の見る目は厳しいというのに。

住む場所や生活費を得るためにまず欲しいのは仕事だろう。仕事を得て生活が安定すれば、小銭稼ぎの犯罪に手を染めたり、ヤケになって悪事に走ったりするケースを減らすことができる。そこで期待されるのが、社会復帰に協力することを目的として雇用を行う“協力雇用主”だ。

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