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「子どもは叱るべき」「叱ってはダメ」の最終結論…子どもの行動を変えるために、大人が知っておくべきこと

source : 提携メディア

genre : ライフ, 教育, 社会

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言うことを聞かない子どもの行動を変えるには、どうすればいいのか。児童精神科看護師のこど看さんは「強く叱って動かしていると、子どもは『やらされている』と感じて無力感を持ってしまう。重要なのは、行動を変えてほしい理由を落ち着いて伝えることだ」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、こど看『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/takasuu ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

過度な期待が子どもへの怒りを湧かせる

どうして子どもに対して怒りが湧くのでしょうか? 私の経験上、子どもに対して「裏切られ感」を持った瞬間に怒りが出現しやすいと感じています。

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「自分はこれだけやっているのに、どうしてこの子は応えてくれないの」というような「裏切られ感」は、自分が持つ「子どもに対する期待」と「子どもが起こした結果」の差が大きくなったときに出現する感情です。つまり、子どもへの期待が大きければ大きいほど、「裏切られ感」が生まれやすく、それが子どもへの怒りにつながるのです。

できれば子どもに怒りたくないのはみなさんも同じだと思いますので、怒りにつながる「裏切られ感」の出現を予防する方法をひとつ紹介します。それは、自分の感情に注目し、自分と対話するという方法です。

期待しないことは難しくても自分の感情に気づくことはできる

例えば、子どもが部屋を片づけない状況に対して怒りが出てきそうになったとき、「あー、結構イライラしてるねー。まあまあ、ちょっと考えてみよう。毎日片づけるのって大人でもめんどいじゃん? でもさ、ほら見てみなよ。あの子、お菓子の空袋はゴミ箱に捨てられてるみたいだからさ、そこは褒めてあげてもいいんじゃない?」といった具合に、自分の感情に注目して、自分が自分に語りかけるイメージで対話をします。

すると、「怒りの種(子どもへの過度な期待)を持っていたのは自分で、それをまいていたのも自分だったのかも?」と、怒りの正体である裏切られ感にそれとなく気づくことができます。