「PV稼ぎのヤフコメ(ヤフーコメント欄)放置は、個人的にはスッパリやめるべきだと思います」
小誌の取材にこう断言するのは、元LINE上級執行役員で、過去には競合のライブドアニュースを手がけた田端信太郎氏だ。
誹謗中傷コメントが殺到する「ヤフコメ」の問題性
週刊文春では、先週4月4日発売号で「巨弾キャンペーン(1) LINEヤフーの暗部」を掲載。日本人9600万人の個人情報が中国、韓国に流出するかもしれない重大リスクなどについて指摘した。今回第2弾ではヤフー側の中核を担う「ヤフーニュース」の正体に迫る。
ヤフーニュースの中で、PVの稼ぎ頭として、ヤフトピ(ヤフートピックス)とともによく知られるのが「ヤフーコメント欄」、通称ヤフコメだ。同欄は誹謗中傷の温床になるなど、たびたび問題性が指摘されてきた。冒頭の田端氏が明かす。
「よく覚えているのは、テニスの大坂なおみ選手が東京五輪の最終聖火ランナーになった時に『なんで純日本人じゃないんだ』といったコメントが殺到したこと。ヤフーが直接悪いわけではないけど、排外的なコメントの溜まり場になっている面は否定できない」
ヤフー側が一方的にコメント欄を閉鎖したことも
2021年10月にはヤフトピに掲載された小室圭さんと眞子さんの婚姻届受理に関する記事に1万件も誹謗中傷コメントが殺到し、コメント欄が閉鎖された。LINEヤフー内部でもヤフコメに反対する声は多いという。
「自分たちでせっかく特集記事を配信しても、インタビューに応じてくれたタレントを誹謗中傷するようなコメントが並んで編集部員が心を痛めたり、『もうヤフーには答えません』と言われることもある。取材する際、事前に『コメント欄が荒れると思います』と取材対象者に伝えることもある」(ヤフーニュース関係者)
無論、荒れるコメント欄にはLINEヤフーも危機感を抱いている。ヤフー側が一方的にメディアのコメント欄を閉鎖する強硬姿勢を見せたこともあった。
22年5月ごろから、東京スポーツの「東スポWEB」、小学館の「NEWSポストセブン」、そして主婦と生活社の「週刊女性PRIME」が配信するエンタメ部門の記事のコメント欄を閉鎖。LINEヤフーは今に至るもコメント欄閉鎖の理由を公には明示していない。今回改めて3社のコメント欄閉鎖について聞いたところ「個別情報提供元との契約に関することはお答えを差し控えます」と回答があった。