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「一寸先は分からない。好きなことはやっておかないと」田口トモロヲ(66)が終活をする際に真っ先に処分を考える“ヒミツのアイテム”

田口トモロヲインタビュー#2

2024/04/20

genre : エンタメ, 芸能

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帝国劇場に出演するなんて考えたことがなかった

――舞台経験の長い田口さんも、疲れを感じることはありますか。

田口 大劇場での長い公演は、じつはこれがはじめてなんです。本当に、自分の視野になかったので。帝国劇場みたいな大きな劇場で、自分が何かを演じたりするということが。

 自分のテリトリーが下北沢の本多劇場あたりですから、僕らみたいなアングラ出身の俳優にとって「大きな劇場」といえば、シアターコクーンくらいまで。そのなかで帝国劇場は、宝塚の方たちなどが舞台にたつイメージで、必ずマイクをつけて演じるような大劇場。そういうところに自分が出演するなんて、考えたことがなかった。

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――いわれてみれば、ふだんの居場所は本多劇場。なんだか不思議な感じがします。

田口 不思議ですよねえ! 自分でもそう思います。「あ、楽屋ひとりにひとつなんだ、すげーな」みたいな(笑)。

 今回の帝劇公演はダブルキャストなので、その方とシェアしてますけれども。同じ演劇でもこんなに違うんだな、それぞれの世界があるんだなと思いました。

――「こんな世界があるんだ」と素直に感じて言葉にされる田口さんが、とても田口トモロヲさんらしいというか。

田口 あはは、そうですか。なんていうか、僕は本当に、好みが狭い人間なんですよね。アングラ演劇とパンクから仕事を始めて、そんなに上限を求めていなかったというか。

 好きなことをできればいいやという発想なので、なになにに出ているからすごいね、みたいなことに興味がなかった。

 だから、帝劇に出てるなんてすごいねとまわりの方にいわれて、ああすごいことなんだ、そういえば楽屋ひとりにひとつだな、っていう感じです。あ、そうなんだって。

 

45年住んだ下北沢から吉祥寺と荻窪の間に引っ越した理由

――40代で「プロジェクトX」に出演なさって、周囲の反応が変わったときも、「あ、そうなんだ」って。

田口 自分の中では、アングラ時代からやっていることはそんなに変わらない。自分のやりたいこと、できることをできたらいいなというスタンスでやってきたので。

――田口さんといえば、足掛け45年下北沢に住んでいるとおっしゃっていて、いまも下北沢にお住まいですか?

田口 いや、じつは引っ越しをしまして。下北は駅前の再開発工事がどんどん進んで、年寄りにはちょっとしんどくなってしまって。

――お差し支えなければ、どちらに?

田口 吉祥寺と荻窪の間に。いろんなエリアを探して、サイズが大きなふたつの街に囲まれた静かな駅で、個人商店が生き残っていて、丁寧にものをつくっている印象で、ちょうどいいなあと。

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