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バラドル時代は胸を揉まれ長時間キスされ…篠原涼子の芸能人生 50歳で“かっこいい女”→“めんどくさい女”へイメチェンの背景

2024/04/19
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『カバチタレ!』は行政書士事務所を舞台にした深津絵里さんと常盤貴子さんのダブル主演作で、篠原さんは交通課の勝ち気な女性警官役。深津さん演じる主人公とたびたび衝突する役どころで、嫌味の応酬となる掛け合いが作品の好アクセントになっていました。

 余談ですが、2010年放送の木村さん主演の恋愛ドラマ『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ系)で、篠原さんはヒロイン役で再共演。『ギフト』のときは木村さん演じる主人公に片想いする脇役だったところから、『月の恋人』では主人公と対等に恋愛をする2番手キャストに出世していたので、感慨深いものがありました。

篠原涼子 ©文藝春秋

主演ヒット作品で“クールビューティー”な女優像を確立

 バイプレイヤーとして評価を高めていった2000年ごろまでの篠原さん。ドラマ『早乙女タイフーン』(2001年、テレビ朝日系)やドラマ『ぼくの魔法使い』(2003年、日本テレビ系)などで、ヒロインに抜擢されるようになっていきます。

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『ぼくの魔法使い』は宮藤官九郎さん脚本で描かれた異色のファンタジーラブコメ。ラブラブ夫婦のおバカかわいい妻役だったため、作品のテイストはまったく異なるものの、『ギフト』で演じたキャラクターとどこか通底するものがありました。篠原さんの振り切った演技がたまらなく好きで印象に残っていますが、いずれにしても彼女が積み上げたキャリアはきちんと結実していったのです。

 もしかすると、彼女がかつてそういった振り切ったキャラクターを演じていたことに驚いた人もいるかもしれません。

 篠原さん主演でヒットした『anego[アネゴ]』(2005年、日本テレビ系)、『アンフェア』(2006年、フジテレビ系)、『ハケンの品格』(2007年、日本テレビ系)は、すべて“かっこいい女”が主人公。3年連続で自立した芯の強いキャラが立て続けに当たり役となったため、世の多くの女性たちは篠原さんに憧れ、彼女のパブリックイメージも“かっこいい女”になっていったからです。

『アンフェア the movie』(2011年)

 プライベートでは2005年に市村正親さんと結婚(2021年に離婚)し、2008年に長男を出産。ライフステージが変わっていくタイミングでもありました。

 こうしてクールビューティーな女優像を確立し、10年以上もそのブランディングでトップ主演俳優として君臨し続けていましたが、さすがに人気もピークアウト。連ドラに主演するペースは下がっていきます。