政治家や候補者がそれを超えてしまうと「あ、言っていいんだ」「よくぞ言ってくれた」と溜飲を下げる人もいるだろう。生活不安に付け込まれ、または漠然とした不安の中で、快哉を叫ぶ人も出てきてしまう。煽られた結果である。
国民の玉木氏は「参政を意識し、自分たちも政策を少し右に広げた」
それが集票効果があるとわかるや、マーケティングとして真似てくる政党も出てくる。国民民主党の玉木雄一郎氏は周囲に対し「参政を意識し、自分たちも政策を少し右に広げた」と話しているという(朝日新聞2025年7月22日)。
こうした状況にはどうすればよいのか。淡々とメディアが「事実」を示していくしかない。今回の選挙戦で救いと言えば、メディアや専門家が選挙期間中にファクトチェックをしていたこと。参政党の多くの言説が事実ではないことを報道していた。たとえば東京新聞には一覧が載っていた。
【参政党関係者の不正確さのある発言例】(6月下旬以降。取材、報道から)
・「外国人の重要犯罪が増加している」(吉川里奈氏、6月23日、街頭演説)
・「(選択的夫婦別姓は)日本の治安を悪くする」(神谷宗幣氏、6月30日、テレビ討論)
・「核武装が最も安上がり」(さや氏、7月3日、ネット番組)
・「生活保護は受給権がない外国人ばかり」(初鹿野裕樹氏、3日、街頭演説)
・「外国人からは相続税が取れない」(神谷氏、6日、民放番組)
・「沖縄戦での日本軍の沖縄県民殺害は例外的」(神谷氏、8日、街頭演説)
・「宮城県は水道事業を民営化し、外資に売った」(神谷氏、13日、街頭演説)
まさにファクトチェック政党である。しかしいくら事実誤認を指摘されても、ひとたび人間の暗い欲望に笑顔で光を当てられたら「解放」されてしまうのも人間だ。メディアがいくら問題提起をしても「オールドメディア(笑)」と嘲笑され終わってしまう。