潜水艦の狭いベッドは妙に落ち着く

私の「不眠」解消法

伊藤 俊幸 元海将・金沢工業大学虎ノ門大学院教授
ライフ 働き方 ヘルス

「閉鎖空間」という過酷な環境で任務にあたる潜水艦の乗組員たちは、睡眠をどうやってコントロールしているのか。潜水艦で12年間任務にあたり、「はやしお」艦長などを務めた元海将、伊藤俊幸氏(65)に、艦内の睡眠事情について聞いた。

 潜水艦の乗組員たちは1カ月以上、狭い艦内に乗りっぱなしで任務につくことがあります。そんな特殊な環境で働いていますから、ストレスを抱え込まないためにも睡眠は重要です。

 ただ、皆さんのご想像の通り、眠るために理想的な環境ではありません。

 良い睡眠のためには、朝の日光を浴びることが大事だと言われますが、潜水艦の中で生活していると朝日どころか昼か夜かも分からない。時間の感覚を維持するため、艦内の照明を「日出時間からは白色」「日没時間からはオレンジ色」に変える工夫はしていますが、それくらいしかできません。

 さらに生活リズムも、地上の暮らしと違って1日24時間では動いていないのです。乗組員は「18時間」がワンサイクル。約70人の乗組員は水雷科、船務科、機関科、補給科に所属し、3交代制のチームで生活しています。

 6時間の当直勤務が終わると、3時間ほど任務後のミーティングがあり、残りの9時間が睡眠と自由時間。この間に食事をとり、DVDで映画を観るなどして過ごします。任務以外のことに頭を切り替える時間を作って、各自が良いタイミングで就寝するのです。

 そんな環境の中で、乗組員が生活のリズムを作るために大切なのは食事です。

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source : 文藝春秋 2024年2月号

genre : ライフ 働き方 ヘルス