今年3月期決算で、約4兆9800億円という国内企業で過去最高の純利益を出したソフトバンクグループ(SBG)。ただ、税金の支払いでは……。
孫正義会長(63)率いるSBGは、巧みな租税回避策が取り沙汰されてきた。
「18年3月期に約1.3兆円、19年3月期には約2.3兆円の営業利益を出しながら、SBG単体での法人税は両期ともに僅か500万円。大きな要因は、海外子会社アームHDの株式をグループ内で取引することで、税務上の損失を2兆円以上も出し、巨額の利益と相殺する特殊なスキームでした」(法人税に詳しい奥村眞吾税理士)
しかし、そうしたやり方には国税当局も目を光らせてきた。18年には約940億円の申告漏れ、19年はアーム株を巡って約4000億円の申告漏れ、昨年も為替差損などを巡って約400億円の申告漏れを指摘されている。「3年連続の申告漏れは異例の事態」(同前)だ。さらに、昨年度の税制改正でアーム株を利用した時のようなスキームも禁じられた。約5兆円の利益を出した今期こそ、いよいよ多額の納税を?
「それは疑問です」(同前)
そもそも利益の約8割を占めるのは、サウジアラビア政府と設立したソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)関連。SVFを運営する子会社が本社を置くのは、法人税0%の英王室領ジャージー島だ。
「タックスヘイブンは情報開示に乏しく、国税当局も実態を追いにくいのです」(国税ОBの松嶋洋税理士)
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source : 週刊文春 2021年5月27日号