依田紀基九段。タイトル獲得35期を誇る超大物で、囲碁界きっての無頼派。彼の妻もまた囲碁棋士だが、今、この夫妻の間に“定石”の通用しない激しい争いが持ち上がっている。消えた3000万円の行方、子供たちの叫び――この“死活問題”に白黒はつくのか。

依田紀基九段

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 井山裕太七冠が1月に国民栄誉賞を受賞。祝賀ムードがまだまだ残る春の囲碁界で、とんだ“盤外戦”が繰り広げられている。しかもそれが夫婦棋士として知られる2人の間でだというのだから穏やかではない。

「長い間耐えてきましたが、最近になって依田が書籍などで身勝手な情報を発信しているのを知りました。囲碁界には、事実とは全く違う話を信じ込んでいる方がたくさんいます。子供たちと何度も相談しましたが、本当のことを知っていただきたいと決意しました」

 疲労を滲ませそう語るのは、女流囲碁棋士の原幸子四段(47)。“依田”とは彼女の夫、依田紀基九段(52)である。今、夫妻の間では3件の民事訴訟が進行中だという。

原四段(日本棋院ホームページより)

依田元名人は“無頼派の天才”

 依田は名人4期、碁聖6期、十段2期など計35のタイトルを獲得した、近年の囲碁界では十指に入る実績を残した名棋士。ベテラン囲碁観戦記者が語る。

「依田は北海道の出身。小学4年生の時に囲碁に出会い、1年後にプロを目指して上京。1980年、14歳でプロ棋士になりました。囲碁に真摯に向き合う棋士です。

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source : 週刊文春 2018年4月19日号