紳士ならば一着はワードローブに備えておくべき普遍の定番、ネイビージャケット。
シンプルでともすると画一的にも見えるアイテムだからこそ、細部に目を向けるのが重要だ。正しいネイビージャケット選びは、男を魅力的に引き立てるのだから。
GIORGIO ARMANI
自分らしさを極めしものの 凛とした佇まいに人は惹きつけられる
昨今よく耳にするアンコン・ジャケット。構築的でない、柔らかく着心地のいいジャケットのことだが、その礎を築いたのは紛れもなく〈ジョルジオ アルマーニ〉である。百貨店のバイヤーだった頃から構築的で画一的な男性のジャケットに疑問を持っていたアルマーニ氏。1975年にデビューさせた自身のブランドでは既存の構造を解体し、より自由で動きやすいジャケットの開発を試みる。定められた型にあてはめるのではなく、自分のライフスタイルに寄り添った快適なジャケットを。そんなフィロソフィーのもと作られた作品は世界中のエグゼクティブに受け入れられ、やがて氏は「ジャケットの帝王」と呼ばれるようになった。
今なおその哲学は健在だ。新しい素材を取り入れ、デザインにも遊びをきかせているが、だからこそ逆に仕立てには細心の注意が払われている。自由さがありながら決して無秩序ではなく、洗練された節度を感じさせるのはそのためだ。快適で、プレステージ性があり、身に付けるものを誇らしく引き立ててくれる。まさに今選ぶべきジャケットの筆頭と言えるだろう。
POLO RALPH LAUREN
年輪を重ねた今だからこそ普遍的なスタイルが似合う
ネイビージャケットと聞いてアメリカントラディショナルスタイルを思い浮かべる人は少なくないはずだ。事実、それはアメトラの象徴的なアイテムであり、基本の「き」。普遍にして不変のアイテムである。永遠の定番的な一着を求めるのであれば、アメリカのヘリテージブランドから選ぶのが最善策かもしれない。
さて〈ポロ ラルフ ローレン〉である。アメリカントラッドを体現するブランドはいくつかあるが、モダンさと贅沢さという点において同ブランドは群を抜く。古き良き、という魅力は備えつつも決して懐古的ではなく、どこか現代的な贅沢さがある。気取りすぎず、それでいて大人に似合う色気を纏っているのである。そこはかとなく漂う余裕、豊かさがそこにはある。それは、若者には着こなす事はできない。経験を重ねた今だからこそ、自分のものにすることができるのだ。
もともとアメリカの影響を色濃く受けている日本のファッション。それゆえ〈ポロ ラルフ ローレン〉のジャケットは、手持ちのワードローブに馴染みやすいというのも嬉しい。ジーンズでカジュアルに着崩すこともできるし、タイドアップでドレスアップすることもできる。汎用性が高いというのも大きなメリットだ。