紳士ならば一着はワードローブに備えておくべき普遍の定番、ネイビージャケット。
シンプルでともすると画一的にも見えるアイテムだからこそ、細部に目を向けるのが重要だ。正しいネイビージャケット選びは、男を魅力的に引き立てるのだから。

GIORGIO ARMANI

自分らしさを極めしものの 凛とした佇まいに人は惹きつけられる

 昨今よく耳にするアンコン・ジャケット。構築的でない、柔らかく着心地のいいジャケットのことだが、その礎を築いたのは紛れもなく〈ジョルジオ アルマーニ〉である。百貨店のバイヤーだった頃から構築的で画一的な男性のジャケットに疑問を持っていたアルマーニ氏。1975年にデビューさせた自身のブランドでは既存の構造を解体し、より自由で動きやすいジャケットの開発を試みる。定められた型にあてはめるのではなく、自分のライフスタイルに寄り添った快適なジャケットを。そんなフィロソフィーのもと作られた作品は世界中のエグゼクティブに受け入れられ、やがて氏は「ジャケットの帝王」と呼ばれるようになった。

アクティブな東京のビジネスマンをイメージして作られたジャケットは、生地が素材感のあるジャージー素材。アンコン仕立てで動きやすいのが特徴だ。それでいて襟がショールカラーと、フォーマルな要素を融合させているのがユニーク。オン・オフ問わず幅広く活躍する。
ジャケット¥250,000、シャツ¥64,000、ネクタイ¥24,000/すべてジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン&03-6274-7070)

 今なおその哲学は健在だ。新しい素材を取り入れ、デザインにも遊びをきかせているが、だからこそ逆に仕立てには細心の注意が払われている。自由さがありながら決して無秩序ではなく、洗練された節度を感じさせるのはそのためだ。快適で、プレステージ性があり、身に付けるものを誇らしく引き立ててくれる。まさに今選ぶべきジャケットの筆頭と言えるだろう。

幅8㎝のネクタイ。少し光沢のあるものを選ぶのも今年らしい選択。スーツのモダンさを引き立てる。
各¥20,000/ジョルジオ アルマーニ
肩パッド入りの構築的なタイプも魅力。毛芯仕立てでシルエットが美しく耐久性も高い。
¥390,000(スーツ価格)/ジョルジオ アルマーニ
ウールシルクの混紡素材で光沢が上品。襟のフラワーボタンが斜めで遊び心がきいている。
¥290,000(スーツ価格)/ジョルジオ アルマーニ

POLO RALPH LAUREN

年輪を重ねた今だからこそ普遍的なスタイルが似合う

 ネイビージャケットと聞いてアメリカントラディショナルスタイルを思い浮かべる人は少なくないはずだ。事実、それはアメトラの象徴的なアイテムであり、基本の「き」。普遍にして不変のアイテムである。永遠の定番的な一着を求めるのであれば、アメリカのヘリテージブランドから選ぶのが最善策かもしれない。

 さて〈ポロ ラルフ ローレン〉である。アメリカントラッドを体現するブランドはいくつかあるが、モダンさと贅沢さという点において同ブランドは群を抜く。古き良き、という魅力は備えつつも決して懐古的ではなく、どこか現代的な贅沢さがある。気取りすぎず、それでいて大人に似合う色気を纏っているのである。そこはかとなく漂う余裕、豊かさがそこにはある。それは、若者には着こなす事はできない。経験を重ねた今だからこそ、自分のものにすることができるのだ。

リネン100%の生地を使用することで、重厚感のあるダブルの6つボタンジャケットが軽妙洒脱な仕上がりに。肩パッドのないアンコン仕立てで着心地も軽やかだ。ウエストを適度にシェイプさせることで胸周りを強調。さらに着丈をやや短めにした端正なスタイルが魅力。リゾートにも映える。
ジャケット¥100,000、シャツ¥18,000、ネクタイ¥14,000/すべてポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン 0120-3274-20)

 もともとアメリカの影響を色濃く受けている日本のファッション。それゆえ〈ポロ ラルフ ローレン〉のジャケットは、手持ちのワードローブに馴染みやすいというのも嬉しい。ジーンズでカジュアルに着崩すこともできるし、タイドアップでドレスアップすることもできる。汎用性が高いというのも大きなメリットだ。

犬の刺繍が入ったものはシルク、ドット柄はウールシルク素材。もともとネクタイの製造から始まった同ブランド。個性的な柄も注目だ。
各¥14,000/ポロ ラルフ ローレン
肩パッドが薄めで背抜き仕立てと軽やか。それでいて生地には上質なコシがあり端正さを保っている。
¥100,000/ポロ ラルフ ローレン
リネン100%のジャケットは上襟にスロートタブがついたスポーツ仕様。ポケットがマチ付きなのも特徴だ。
¥100,000/ポロ ラルフ ローレン