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藤本 敏史
2017/04/01

ディズニーに500回以上行ったフジモン「私が“夢の国”の住人になった理由」

『文藝芸人』(文春ムック)

 吉本芸人は趣味へのこだわりもハンパない。なかでもFUJIWARAのフジモンこと藤本敏史氏は、大阪に住んでいたころに初めて行った「夢の国」ディズニーランドにはまり、以来、東京ディズニーリゾートを訪れること500回以上! 後輩の芸人と男同士で、現夫人の木下優樹菜さんとはデートで。いったいディズニーランドの何が46歳のフジモンをそこまで魅了するのか。

※本記事は「文藝芸人」(文春ムック)からの転載です。

◆ ◆ ◆

 僕、昔から顔がイカついって言われていたんです。それを中和するためなのかどうかわかりませんが、かわいいものが好きなんです。

 そんな僕が二十歳でまだ大阪に住んでいるとき、初めて行ったディズニーランド。今まで見たことのなかった、まさに「夢の国」! ハマらないわけがありません。

 ショーの完成度の高さはもちろんのこと、キャストたちはずっと笑顔ですし、めちゃくちゃ細かいところにまで工夫がなされている。そのホスピタリティにはいままでにない感動を覚えました。

1989年にコンビ結成。FUJIWARAの原西孝幸(左)と藤本敏史

 それから二十数年の月日が流れましたが、僕はこれまで五百回以上、東京ディズニーリゾートに行っています。が、そんな僕でも到底かなわないすごい芸人の後輩がいます。事務所は違うのですが、ツートンカラーの上田というヤツです。彼は年間三百回以上ディズニーに足を運んでいます。これだけ好きな僕が、はじめて負けを認めました。

 ウソじゃありません。ヤツは僕が電話するといつもディズニーにいるんです。ちょっと前までは浦安に住んでいました。恐るべし、です。

 僕の同期に千原ジュニアがいます。彼とは長いつきあいですが、ジュニアが僕にはじめて「ありがとう」と言ってくれたのは、芸人仲間の男ばかり数人、僕のアテンドでディズニーリゾートに行った帰り道でした。

 最初、男どもはみんな、ホンマに「夢の国」なのか、疑っていました。

 そこでまず、僕が教えたディズニーネタ。

「入場するときチケットをかざすと“シャラン♪”って音がすんねん」

 これはティンカーベルが魔法の粉をふりかけ、入場者を魔法にかけた音です。ちなみに退場時には音はなりません。なぜかというと魔法がとけないように……。

 おっさんたち、これだけで感動です。

 ディズニーランドでは掃除をするキャストも「夢の国」の一員です。

「あそこでゴミ集めてる人に、何を集めてるのか聞いてみぃ」

 おっさん芸人が訊ねると、キャストは答えます。

「夢のかけらです」

 これにもおっさんたちは大感動です。

 僕はみんなにウンチクを要所要所で披露します。

「ディズニーランドには時計が少ないねん。それはみんなに時間を忘れて楽しんでもらうためなんや」

「ウエスタンランドの池には本物のミシシッピ川の水が混じってるんや」

「カリブの海賊に乗っていると、流れ星が見えるから、上を見とかなあかんで」

「トイレの洗面台にほとんど鏡が置かれてないのは、自分の姿を見て、現実に戻らないためなんや」

「パーク内にはいっぱい“隠れミッキー”がおるんやけど、ミッキーの家には“隠れグーフィー”がおんねん」

 あのジュニアもすっかり「夢の国」の住人と化していました。

 ディズニーと言えばカップルとかデートとか思われがちですが、断言します! 男同士で行っても十分楽しめます。

 楽しむためにもっとも大切なことは、とにかく「夢の国」に入りこむこと。楽しいときは恥ずかしがらず声を出して笑ったり、歓声をあげたり、時には踊ったり! 絶対に恥ずかしがってはいけません。

 そんなことを言ってる僕ですが、もちろんデートにも行きましたし、プロポーズもディズニーランドでしました。

「俺のお嫁さんになってください」

 と言ってひざまずき、シンデレラ城の前でガラスの靴を手渡しました。嫁の優樹菜は

「よろしくお願いします」

 と答えてくれて、泣いていました。

 二人とも芸能人なのに、よくそんな目立つ場所で……、と時々言われますが、閉園直前のみんなが帰路につく時間を狙って計画したので、問題ありませんでした。

 優樹菜とはつきあっているときも、結婚してからも何度も一緒にディズニーランドにもシーにも来ています。結婚式はパーク内のアンバサダーホテルでやりました。優樹菜はシンデレラのドレスで、僕は王子さま(笑)。ミッキー、ミニー、グーフィーやドナルドたち、おなじみのキャラクターも駆けつけてくれました。

 つきあいはじめの頃は、さすがに二人きりで行くのはマズいかと思い、ハリセンボンの春菜と三人で行ったこともありました。

 アトラクションに乗らなくても、景色を見ながら散歩するだけで、「夢の国」の住人になれます。夕方からしか時間がないときは、食事するためだけに行ったこともありますし、二人の記念日にはホテルのいい部屋に泊まったりしています。

 子どもたちもディズニー大好きで、これからも何度も一緒に訪れると思います。夢は何十年か後に孫をアテンドして、ディズニー好きになってもらうことですね。

文藝芸人 (文春ムック)

文藝春秋
2017年3月16日 発売

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