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藤原 敬之
2017/05/22

日経平均2万円超えと「日銀介入」の“反動”

アベノミクスの「新しい主体」とは何か

 日経平均が2万円に近づいている。

 もしアベノミクスなるものが(本当に存在し)機能していたら……今頃は3万円を超えていただろうと私は考えている。

 アベノミクスは三本の矢で構成されるとされた。

(1)日銀による金融緩和(暗黙の円安誘導目的を持つ)
(2)機動的財政の出動
(3)規制緩和・構造改革の推進

 以上の項目をよく見るとバブル崩壊後、各政権が景気対策として掲げて来ていたことと何ら変わりはない。

 しかしその後も「アベノミクス」と言われ続けている。

安倍首相と日銀の黒田総裁 ©getty

(1)の金融政策が際立っていて、その一本足打法こそがアベノミクスと見られているからだ。

 日銀による金融政策はそれ以前のものとは規模も方法も異なる“異次元”のものだった。

 第二次安倍内閣によって自民党が政権に返り咲く直前、民主党政権のあまりの酷さに株式市場は低迷、日経平均は8000円台だった。それが“異次元金融緩和”による急速な円安の顕在化で底打ち反転を見せた。しかし、残念ながらそこまで……。

(2)の機動的財政出動は過去行われたものと規模も内容も変わらず、株式市場が持続的成長へ向け本来的に期待した(3)の規制緩和・構造改革といえば……これも経済活性の推進役となるものは何ひとつ出ては来なかった。もし(3)に期待通りのものが出ていれば……今頃、日経平均は3万円を超えていたというのが私の持論だ。

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