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東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「岐阜羽島」には何がある?

2021/03/01
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南口に広がる駅前広場

 待合室とコンビニくらいしかない広々とした駅舎の中にいてもしょうがないので、外に出てみよう。出入り口は南口と北口に。南口にまず出てみると、やはりこちらも新幹線駅らしい立派な駅前広場とコンコース。そしてそれを取り囲むようにして駐車場が広がっている。駅前から北に向かう道路には何やら企業系の巨大看板がいくつもあるが、それらは新幹線の車窓から見えるように考えられたものなのだろう。

 
 
 
 

 ただ、他に何があるのかと言うと特になにもない。クルマはそこそこ走っているし、駅前のベンチで座っているおじさんもいた。が、何をしているのかわからないので話しかけるのも憚られるし、それ以外には駐車場と駅前広場とその先の道路くらいしかないのである。

北口にたつ「どでかいオブジェ」

 ならば反対側、北口に出てみよう。

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 どうやら、岐阜羽島駅の正面は北口のようだ。南口よりも立派で広いロータリーに客待ちのタクシーや送迎車が何台も停まっている。そして北側にはアパホテルとルートインが仲良く並んで建っている。ちなみに南口には東横インもあるので、岐阜羽島駅前にはビジネスホテルビッグ3(筆者が勝手に呼んでいるだけです)が揃い踏み。そのあたりからも、岐阜県の玄関口は岐阜羽島駅だぞ!という強い意思を感じるのである。

 
 

 そして駅のロータリーの先には、どでかい怪しげなオブジェと「ようこそ」の歓迎看板が建っている。「ようこそ」はどこの町の駅にもあるので横においておくとして、怪しげなオブジェから解決しよう。近づいてよく見てみると、「円空」と書いてある。

 円空といったら江戸時代初期の僧侶で、“円空仏”と呼ばれる木彫りの仏像をたくさん作ったことでも有名だ。調べてみると、羽島市内には中観音堂や長間薬師寺など円空仏を安置するお寺がいくつもあるという。そういうわけで、巨大な円空仏オブジェをシンボルとして駅前に置いたのであろう。あんまりにもでっかいのでちょっとびっくりして怪しげだとかなんだとか言ってしまったが、とてつもなく由緒のあるものであった。