“お笑い怪獣”と称され、テレビで見ない日はないほどの活躍を続ける明石家さんま氏は、カメラが回っていないときも、スイッチを切ることなくお喋りを続ける、明るい性格の持ち主として広く知られている。
くりぃむしちゅーの上田晋也氏の新著『激変 めまぐるしく動いた30代のこと』(ポプラ社)によると、街で偶然明石家さんま氏に出会ったとき、“お笑い怪獣”は車の中で一人両手を叩きながら笑っていたそうだ。そんな明石家さんま氏が、周囲を驚かせたひとつの事件があったというが……。ここでは、上田氏の新著より一部を抜粋し、明石家さんま氏が主催するテニス同好会で起こったエピソードについて紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)
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日常の動きがビリーズブートキャンプと同じくらいの運動量
さんまさんは、いつも至って元気で健康だ。ゴルフの時もストレッチはおろか、アキレス腱を伸ばすことすらしない。いつもご一緒させていただく、ひと回り以上年下の私や30歳も年下のえなりかずき君が、早めにゴルフ場に行って、ケガをしないように、入念なストレッチや素振りをしたりするのに、だ。
あまりに不思議なので、「なんでストレッチすらされないんですか?」と一度聞いてみた。するとさんまさんは、「普段の動きがストレッチや」と、至って普通のことのようにおっしゃった。確かに、普段から無駄な動き、失礼、身振り手振りが大きいし、さんまさんの日常の動きを集めてDVDにすれば、ビリーズブートキャンプと同じくらいの運動量はあるかもしれない。
毎日ミカン食べてたら風邪は引かない
さんまさんはご自分が元気だから、他人が風邪を引くこともよく理解できないようで、露骨に嫌な顔をなさる。確か31歳の時。さんまさん、東野幸治さん、YOUさん、土田晃之と私の5人でお食事をした時のこと。あいにくその日風邪を引いていた私は、ほんの少し鼻声であった。するとさんまさんが、「なんや上田、風邪か?」と眉根を寄せながらおっしゃった。
「はい、すいません」
「ちょうどミカンならあるで!」
「は? 『ちょうど薬ならあるで』ならわかりますけど、ミカンですか?」
「アホやなー、俺は子どもの頃から毎日のようにミカン食うてるから風邪なんか引いたことない」と、『ターヘル・アナトミア』にすら書いてないであろう対処法を推奨なさる。まっ、『ターヘル・アナトミア』ってそもそも何が書いてあるのか知らないけど。