昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

牧野 知弘
2018/01/06

2018年日本の不動産はズバリこうなる(前編)

バブル再燃! 絶好調「宴たけなわ」のシナリオ

 2017年の不動産マーケットは実に好調だった。

 地価は上昇が顕著になってきた。銀座の山野楽器の公示地価は平方メートルあたりで5000万円を超え、平成バブル期以上の水準になった。地価の上昇は東京、大阪、名古屋の三大都市圏のみならず、地方四市といわれる札幌、仙台、広島、福岡といった都市にも波及し、住宅地では仙台市が対前年比で10%以上の上昇、商業地でも福岡市が20%以上の上昇を記録する地域が出るなど、絶好調だった。

 地価が上昇すれば投資としての妙味が生まれる。「買って売れば」儲かるからだ。都市未来総合研究所によれば、2017年度上期の不動産取引額は1兆8213億円と前年度同期比で18.5%もの伸びを示した。

首都圏の新築マンションの平均価格は約6000万円

 都心では数多くのクレーンが所狭しと立ち並び、超高層オフィスビルの建設ラッシュが続く。「都心居住」の掛け声のもと都心部のマンションの値段は急上昇。2017年度上期首都圏(1都3県)で供給されたマンションの平均価格は5992万円と前年度同期比5.8%も値上がりし、もはや庶民にはマンションは買えないレベルとまで揶揄されるようになった。

都心は超高層オフィスビルの建設ラッシュである ©iStock.com

 都心部でオフィスと覇を競うように建設ラッシュとなっているのが、ホテルだ。インバウンド(訪日外国人)の需要増を当て込んだホテル業界には、他業態からの新規参入も陸続として大変な活況となっている。

 さて、こうした流れを受けて2018年の日本の不動産はどうなるのだろうか。2回にわたって解説を試みることとしよう。前編ではこうした好況がいよいよ「宴たけなわ」に向かっていく前提で生じるお祭り現象を、そして後編では「宴の終わり」がやってくるとすればどんなタイミングなのか、そのドン引きのさまを大胆に予測してみよう。

2018年、日本の不動産投資マーケットに「巨人」登場

 前編の今回、2018年日本の不動産を次のように予測する。

1.国家が支える官製不動産マーケット
2.セミプロ投資家の急増
3.ブランドマンション、ブランドビル時代の到来
4.猛威を振るうインバウンドマネー
5.新しい不動産メニューの勃興

 2018年、いよいよ日本の不動産投資マーケットに「巨大な買手」がやってくる。その名は年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)、運用資金総額156兆円の「化け物投資家」である。GPIFは厚生労働省の所轄法人であり、厚生年金と国民年金の運用を司っている。2014年10月第二次安倍政権において、GPIFは運用構成が変更され、これまでの国内債券を中心とした運用から一定のリスク資産にも投資できるように改定された。具体的には国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%が新しい運用割合となったのだ。