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すごいを通り越して恐怖すら感じる「こじるり」という才能

勝俣州和さんを超えてます

2018/01/05

 先日、日テレが誇る最強脳内洗浄番組『ヒルナンデス!』を観ながらのんびりお昼ごはんを食べていたときのことです。サバンナ高橋と「こじるり」こと小島瑠璃子がどこぞのパン屋かなんかに中継に出ていまして、「すごい行列ですね~」と賑やかにやっていた2人に、突然近づいてきたんですよ、何かをブツブツつぶやいている男が。「お父さん、お父さんちょっと!?」。そのブツブツ男がまずは高橋に体当たり、それを見たこじるりが「いや~! 怖い怖い!」と叫びながら逃走……。

 と、文字にするとものすごい放送事故じゃないですか、これ。しかし、この事故案件を単なる生放送中のいちアクシデントに抑えたのが、今回の主役、こじるりなのです。

昨年は「池上彰の総選挙ライブ」(テレビ東京)でも評価をあげた

 あらためてこのシーンを見返しますと、まぁすごい。こじるりすごい。襲われた高橋を置き去りにして逃げたように見えますが、実はこじるり、「怖い怖い」と叫びながらカメラを手招きで誘導、絶妙なタイミングで問題シーンがお茶の間に流されるのを回避しています。その間ずっと笑顔。笑顔を一切絶やさない。さらに先頭まで逃げ切ったら間髪を入れず「こちら〇〇製パンさんです。お客さんにお話伺ってみたいと思いま~す」と、流れるようにインタビューに入ったのです。これにはもう、お客さんの方がドン引き。どこの修羅の国からやってきたんだ、こじるりは……。この一連の「何事もなかったかのように」には、すごいを通り越して恐怖すら感じました。

ベッキー後、戦国時代に突入

『ヒルナンデス!』国の小島瑠璃子、『王様のブランチ』国の鈴木あきえ……かの覇王ベッキーが武者修行に出られた後の女性バラエティタレント界は、完全に戦国時代へと突入しました。一人暮らしの家にお歳暮で新巻鮭を送り付けるような、もらっても困る過剰な元気を押し出して女王の座に君臨していたベッキー。と同時に彼女は「本当の私は、明るいいい子じゃないの……」という、これまたもらって困る謎の自意識もむき出しにしていまして、「タレントとしてのベッキーじゃない、私はアーティストのベッキー♪♯」的なアレですね。

 しかしなかなか思ったように♪♯は国民に受け入れられなかった。なぜ? なぜなの? ♪♯の何が悪いの? からのゲス!!!!! と、まぁそれは置いておきまして、とにかく新女王に求められるものは、「本当の私は」とかめんどくさいことを言い出さない、シンプルかつ柔軟で従順なバラエティ体質なのだと思います。

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