文春オンライン

「ノーベル平和賞」だから何をしてもいいってわけでもねえだろ

日本は相変わらず海外の良く分からないものに弱い

2018/01/18
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アメリカにまず言えよ

 2017年12月14日に、安倍ちゃんが1月12日から18日まで欧州歴訪と報じられておったわけで、そこはまあ外遊日程があるんでしょうってことで、常識的にはそこの日程に東京で面談させろと言っても「馬鹿なんじゃないの」で終わる話であります。ところが、このICANが訪欧日程が発表された後の12月下旬に、当の外遊中の日程に「ICANの代表が来日して3日間滞在するので安倍ちゃんに会わせろ」と言ってきたそうです。

https://twitter.com/nuclearban_jp/status/952665273106132992

 いや、だから安倍ちゃんいねえって言ってんだろ。初めから分かっている不在の日程を狙ってアポ取りに行くとか、ノーベル平和賞は取れても知能指数は一桁なんでしょうか。いくら安倍ちゃんが馬鹿でも、フィックスの終わっている外交日程に会談を申し込まれて会うことは無理です。確実に頭悪いと思うんですよね。それとも、ブルガリアやエストニアその他歴訪国の予定を切り上げてでもICANの代表に会えとでも言うんでしょうか。

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リトアニア訪問時の安倍首相 首相官邸HPより

 さらに、広島や長崎といった核兵器が落とされ被害者が出た地域に行って、核廃絶を訴え、日本が被爆国として陣頭に立つべきって言ってました。戦争の責任がどこにあるかはともかく、核兵器を落としたのはアメリカですよ。アメリカにまず言えよ。

もしも核兵器を本当になくそうとするならば

 何しろ、核廃絶という崇高な目的があるのは誰も否定しないとして、核保有国がまったく批准していない核兵器禁止条約に核兵器もってない日本が「さんせーい」といっても意味がありません。少なくとも、このICANの連中は日本に来て安倍ちゃんに文句言う前に核開発に邁進しておられる北朝鮮の金正恩さんとか、互角のレベルで煽り合っているトランプさんに文句を言いに行くべきです。

 中国や北朝鮮、ロシアなどが核兵器を日本に向けている可能性のある中で、核兵器による抑止力をアメリカとの軍事同盟で活用しなければならない日本が、綺麗事で牧歌的な核兵器禁止条約の批准をしないのは仕方のないことで、もしも核兵器を本当になくそうとするならば核兵器持っているところに言いにいけよって思うんですよね。

鯉に餌やりするトランプ大統領と安倍首相 首相官邸HPより

 そもそも、核兵器禁止条約についていえば16年10月に軍縮を扱う国連総会第一委員会で、多国間の核武装撤廃交渉を来年から開始する決議案に反対した国は、ほかならぬアメリカや英仏露日であって、そのときのアメリカ大統領はノーベル平和賞を09年に受賞したバラク・オバマ元大統領であります。同じノーベル平和賞を受賞しているオバマも「Yes, we can」とか言ってましたが、お前らICANの核廃絶とは平和実現のやり方が違うってことなんでしょうか。

 そんで、このICANの人たちはどういう理由か、日本共産党の皆さんと写真撮ったり、いわゆる左翼界隈、反権力の面々とつるんで安倍ちゃん批判をしておるわけです。誰かこの運動は筋が悪いと説明できるまともなブレーンがいなかったんでしょうか。安倍ちゃんに会えなかったといっても、日程が合わなかったりメリットがなければ会わないでしょう。