文春オンライン

暗号通貨でサイバーおけら街道が建設される

そんな都合の良い仕組みができるわけないだろ

2018/01/25

「これはバブルだろww」と思って勝負を降りてしまいました

 時は下って2年ほど経過すると、いまや暗号通貨は乱立し、実態の乏しい暗号通貨を使ってさらに実態の怪しいICOという集金手段が花盛りとなって、牧歌的だった仮想通貨界隈は装いを変えてしまいました。言うなれば、のんびりとした下町の商店街が突然やってきた謎のデベロッパーによっていきなり地上げされて高層ビルとタワーマンションが乱立してしまった武蔵小杉のような状況です。タワマンは綺麗なのに東横線に乗れなくてラッシュ時は行列するという。

 私なんかは、たいした値段もつかなかったころにまとまった金額をいれていたんですけど、なんか価格が40万を超えたあたりから「これはバブルだろww」と思って勝負を降りてしまいました。この時点でほとんど売ってしまい、手元には普段使いする程度のわずかな量しか残っていなかったのですが、まさか210万円を超えるとは思ってもいませんでした。私のこの握力の無さを呪いたくなる気分ですが、それでもまだ、仮想通貨やそれを支えるブロックチェーンの技術を知り、自分の判断で降りているので恨みもなければ損害もありません。

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 しかし、本当に困るのは技術も知らず、何となく儲かりそうだからと札束を握りしめて暗号通貨売買に乗り出してきた一般ピーポーです。いや、危険だからやめておけって。ケツ毛までむしられるおけら街道の怖さを知らないだろ。こんなの一昨年から仕込んでないとまとまった利益なんかでないよ。そう思っているうちに、暗号通貨は一説には12月に9.5兆円もの関連取引が行われる一大市場になってしまったといいます。