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「キャンプならガスボンベタイプが一番便利。だが…」世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」

「キャンプならガスボンベタイプが一番便利。だが…」世界40カ国以上を取材したカメラマンが選ぶ合計10万円以下の「マストなアウトドア用品」

合計10万円で世界各地で使える「マストなアウトドア用品」#2

2023/06/11
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 コロナ禍もひと段落し、そろそろ海外旅行へ……という人も多いのでは。ちまたでは、パスポートの更新や申請で窓口が長蛇の列をなしているというニュースも流れている。

 海外旅行の楽しみ方はいろいろだが、世界各地40カ国以上を取材で訪れた筆者が、これだけは外せないという「マストなアウトドア用品」を紹介する本企画。寝袋、ナイフ、シューズに続くのは……(全2回の2回目/前編を読む)。

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4、カップ:どれも妙にかさばりがち。たどり着いたのが…

 海外で安宿をベースに取材する時も、農家さんや漁師さんの家に居候取材をするパターンでも、自前の食器が必要になることはない。しかしマイカップはあった方が何かと便利だ。

 誰かが突然ワインボトルを取り出して、部屋で酒盛りが始まることもあるし、出先で貴重な飲み水を恵んでもらうこともある。その時にカップがすぐに出てこなければ、チャンスを逃してしまうのだ。

砂漠でも愛用するこのカップは…

 しかしカップというのは収まりが悪く、妙に嵩張ってしまう。使用目的が上記のようなシチュエーションだから、中に何かを詰めてバックパックの奥に埋めておいては意味がない。かといって外にぶら下げていると、場所によっては盗まれてしまうのだ。

 これもいろんな商品を試したが、最終的に落ち着いたのは、これまた定番中の定番登山アイテムのシェラカップだった。

様々なものを試して最終的に落ち着いたという、登山アイテムの定番・シェラカップ

 アメリカの自然保護団体の名を持つこのカップは、コップにもなれば鍋にもお椀にもなる万能品で、2000円もしない価格で揃えやすい。まあたしかに、何にでも使えるってことは、何に使っても中途半端でもある。コップには浅いし、鍋には小さいし厚みがなくて焦げる。おまけに熱いものを入れたら唇を火傷しそうになるしね。でも、それを差し引いてもこのデザインがやはり収まりが良いのだ。それになんとなく冒険旅っぽい雰囲気が出てくるのも良いのである。

 僕が使っているシェラカップは本家本元シエラクラブが作ったものではない。残念ながら。ではどこのメーカー製かというと、よくわからない。鍋底には登山専門出版社の山と渓谷社がかつて出していた雑誌「ヤマケイJOY」の刻印がある。どうやらカメラマンとして同誌の取材で山へ行った時に、もらったものらしい。

 この頃はまだまだ出版界も景気が良かったのか、このシェラカップはチタン製だ。おかげで非常に軽く、いろいろな取材先で重宝している。

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