石破茂衆議院議員 ©文藝春秋

「次の自民党総裁にふさわしい人物」を問う報道各社の世論調査で、安倍晋三首相を抜いて首位に浮上したのが、石破茂衆議院議員だ。9月の総裁選を前に、いま永田町で最も動向が注目されている石破氏は、安倍政権にこう苦言を呈する。

「『安倍一強』と呼ばれる政治状況がもたらす副作用には、やはり疑問を抱かざるを得ません。私の眼には、自民党の多くが官邸に阿諛追従しているように見えます。これは、政権の意向に沿った発言をするほうがいいポストに就いたり、選挙の際に比例名簿の上位にランクされるだろう、と『忖度』することが常態化しているからではないでしょうか」

 そして、小泉純一郎元首相を引き合いに出して、次のように述べる。

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「たとえ政府の方針や首相の発言に異を唱えることがあっても、国家のために必要な人材を登用するのが、リーダーのあるべき姿でしょう。かつてそれを実践していたのが、小泉純一郎元首相でした」

 小泉氏が制した2001年の総裁選で、石破氏は橋本龍太郎元首相を支持。このため、「小泉政権の間は干されるだろう」と覚悟していた石破氏だが、翌年の内閣改造で石破氏は防衛庁長官に指名された。

小泉政権では防衛庁長官に抜擢された ©時事通信社

「小泉首相は、国会論戦において答弁に強いのは石破だと考えたのかもしれません。自分に楯突く人物であっても、国家に必要であれば登用する。いまの内閣にはそうした姿勢が乏しいのではないでしょうか」

 その息子・小泉進次郎衆議院議員は、いまや「将来の総理候補」として国民の期待を集める存在となった。石破氏は、進次郎氏をこう評価する。

「彼は本当に有望な、いい政治家だと思います。必ず、将来の自民党を背負う存在になる。だからこそ、いま使い倒したり、潰してしまうようなことがあってはならない。むしろ、これからの自民党は『いかに進次郎世代につなぐか』が重要なのではないかと思っています。『安倍以降、小泉進次郎以前』の時代をどうすべきか、考えなければならない」

 他にも「政と官」のあるべき姿や改憲問題、外交問題などについて石破氏が語り尽くしたインタビューは、5月10日発売の『文藝春秋』6月号に10ページにわたって掲載される。

文藝春秋 2018年 06 月号 [雑誌]

文藝春秋
2018年5月10日 発売

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