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1枚30万円も! ニセビックリマンシールの世界「あのロッチは今!?」

カプセルの中に入っていた懐かしい「罠」の世界

2018/08/05

genre : エンタメ, 商品

 1980年代、日本ホビー史上に残る一大ブームを起こした「ビックリマンチョコ」。

 僕らのお目当てはそのおまけシールだった。しかしあまりのヒットに売り切れ続出で、やっと買えても「1人3個まで」の制限さえあった。こづかいのすべてを費やし、プリズム加工などが施された憧れの「ヘッド」を当てようと奮闘するも、ハズレ扱いの「悪魔」が出たときは意気消沈……。

「ロッチ」を覚えていますか?

 そんな僕らには敵がいた。「ロッチ」だ。ビックリマンシールそっくりの外見で、カプセルトイの中に5枚ほど入って売られていた。「ビックリマンだ!」と買ってみて、「ロッテ」のロゴをよく見ると、「ロッチ」となっている。そう、ニセモノだった。あのころ僕らの多くはこの「ロッチ」の罠に引っかかってしまったのだ。

読売新聞1988年2月20日より

 こどもたちをだましにだまして「ロッチ」の発行枚数は1,000万枚にのぼったが、本家ロッテに起こされた訴訟などがダメージとなり発売元のコスモスは解散。ロッチ騒動は幕を閉じた。

 しかし当時はロッチ以外にも、数々のパチシールがこっそり発売されており「ニセモノ」とさげすまれていた。しかしそのパチシールがいま、高値で取引されているという。まんだらけ中野本店カード館の責任者である田嶋宏一郎さん、まんだらけ広報部鍋島一機さんにお話をうかがった。

当時のパチシールが並ぶ、まんだらけ中野店

コピー系よりも「下手絵」が人気!?

田嶋 パチシールには、コピー系と創作系があります。コピー系はトレース、もしくはカラーコピーに近いようなもの。あの「ロッチ」はコピー系で。値段は400~500円ほどとそれほど高くは無くて、1,500円ぐらいが上限です。

 ただ、そのままコピーしたものでは無く、手で描いたものは人気がありますよ。コピーじゃないパチシールのなかで、ちょっと絵が上手なものは「手書き」、あまりにもアレなものは「下手絵」と言います。

手書き系の中でも絵がヘタな「下手絵」も。サタンマリアのあまりの崩れっぷりに驚愕だが、実は15,000円の価値がある

田嶋 この「野聖エルサM」、よく見ると面白いんですよ。杖の先にある手がパーとグーになってて。これ、一桁違いますからね。正規品が500円、パチシール(手書き)が6,000円。

――完全に逆転現象ですね。

正規品の杖にある手は「パー」の形だが、ニセモノは「グー」。

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