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バスケ日本代表不祥事で考えた、ガバナンスのあり方とオリックスのこれから

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/07

 去る8月20日、ジャカルタに遠征中だったバスケットボールの日本代表4選手に買春行為があったとして、日本バスケット協会の謝罪会見が行われた。しかもその選手達、日の丸のついた代表ウエアでの外出だったと言うから、連日メディアはこの問題を大きく取り上げた。

 散々報道されたニュースであるから、これを今更このコラムのテーマにする事はしないが、自分としては「彼らのバスケット人生を終わらせるつもりはない」と謝罪会見に当該選手達を同席させた三屋裕子同会長の姿がとても印象的だった。今回のケースは買春行為という、言わばコンプライアンス違反である。日の丸ウェアを着用していたと言う点ではガバナンス的にも問題は大有りだ。

 しかし、罪は罪、選手は選手、競技は競技と切り離して考えた場合、日本バスケット界の未来、そして日本スポーツ界の未来に於いては彼らの活躍がまだまだ必要であり、また普段は真摯に競技と向き合っている彼らだからこそ、日の丸を背負うほどのバスケットスキルを持つ選手達だからこそ、復帰の道を閉ざさないよう熟慮に熟慮を重ねた判断だったのではないだろうか。

日本バスケット協会の謝罪会見 ©時事通信社

バスケット買春問題とBs

 これが文春野球コラムと何か関係しているのか?

 実はこの問題、我らがORIX Buffaloesも少なからず影響を受けているのだ。Bsファンは思い出して欲しい。そう舞洲プロジェクト(オリックス・セレッソ・エヴェッサの共同プロジェクト)の「マジか!?舞洲!!」なるエイプリルフール企画。我らがエース金子千尋投手がセレッソ大阪に移籍してしまった代わりに、大阪エヴェッサの橋本拓哉選手(SG)がBsにやって来たあの企画だ。

 京セラドームには橋本選手の等身大パネルが設置され、さぁこれから競技の垣根を越えて大阪のスポーツ界を盛り上げていこうとした矢先、冒頭の問題が発覚。残念ながら問題の4選手の中に橋本選手の名前があったのだ。オリックス球団はバスケ協会の謝罪会見直後、京セラドームの橋本選手の等身大パネルの撤去を決めた。

スポーツ界の夢「舞洲プロジェクト」

 コラムを続ける前に少しだけ他球団のファンの方々の為、また大阪以外のBsファンの方々の為「舞洲プロジェクト」について書いておきたい。Bsファンならばご存知かと思うがORIX Buffaloesは昨年2017年シーズンより、2軍本拠地を北神戸から大阪舞洲に移転した。2軍スタジアムの建設、寮に加え練習環境も大幅に強化した。この為、大阪舞洲地区にはセレッソ大阪(サッカー)の「セレッソスポーツパーク舞洲」、そして大阪エヴェッサ(バスケ)の「おおきにアリーナ舞洲」と、3チームが集結する事になる。それが縁で大阪市とこの3チームによって、競技の垣根を越えて大阪のスポーツ振興を目的とした「舞洲プロジェクト」なるものが発足した。

 何という素晴らしい取り組みだろうか。利害の異なる他競技のチームが一致団結しシーンに向き合うのである。必ずや大阪のスポーツシーンは活性化するだろう。いやいや、スポーツ界に留まらず、行政、延いては我々の市民生活への見返りも大きいのではないだろうか。そんな夢のプロジェクトなのである。

 さて、話をコラムに戻そう。今回の買春問題は、Bs側に何か問題があった訳ではない。オリックスに移籍(という設定)して来たのがセレッソ大阪のFW・柿谷曜一選手であったならば、パネルは問題発覚後も設置されていたかもしれない。まぁオリックス球団にしてみれば運が悪かったと言うべきか、間が悪かったと言うべきか。わざわざ取材を受けて対応した球団広報も大変だっただろうなと思ってしまう。とばっちりと言えばとばっちりなのだから。ただ、この事が原因で「このプロジェクトそのものを見直そう」とか「やはり危機管理として他競技と組むのは危険だ」等と、そんな意見が強くなるのは大変懸念している。いや、それを一番心配していると言うべきか。