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いよいよ異様な総裁選! 安倍側近の「石破ばいきんまん」発言を紙面で深読みしてみる

ふらふらし始めた「正直、公正」

2018/09/07
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 自民党の総裁選は本日告示!

 たまらない記事を見つけてしまった。

 「石破流、手本は金足農? 『ひたむきさ、心動かす』 自民総裁選」(朝日新聞 8月31日)

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 これ、どういう意味か?

「我々は『金足農業』でやっていきましょう」発言の謎

 石破氏の掲げた「正直、公正」というキャッチフレーズが首相への個人攻撃だと批判された。誰に批判されたのか。参院竹下派を率いている吉田博美・参院幹事長である。

 先月末にその2人が会食したのだ。

©AFLO

 そのとき吉田氏は「我々は『金足農業』でやっていきましょう」と持ちかけた。石破氏はその後、石破派の会合で「金足農が一生懸命頑張った。あのひたむきさ、一生懸命頑張ってるよね、それが人の心を動かす」などと述べたという。

 これ、深読みするとかなり面白い。吉田氏は本来は安倍首相と近い。なので石破氏の首相の政治姿勢への「ツッコミ」は封印させたい。

 そこで金足農を持ち出したのではないか。ここで言う金足農のひたむきさとは、相手の嫌がる戦法はやめて自分の野球に専念しろという意味だろう。

 もっと言えば「大阪桐蔭相手にさわやかに散れ」とも聞こえる。

首相と戦う人間はばいきんまん扱い

 この記事には吉田氏のもう一つのアドバイスも載っている。「石破さんにばいきんまんは似合わない。アンパンマンのように笑ってください」と述べたという。もはや総裁選で首相と戦う人間はばいきんまん扱いなのだ。今の自民党内の空気を見事にあらわしていないか。

吉田博美議員 ©AFLO

 ちなみに産経新聞では《吉田博美参院幹事長は8月30日朝、都内のホテルで石破氏と会談し、「首相と骨太の政策論争をすべきだ」と1時間以上も説教した。》(9月3日)と書かれている。

 やっぱり説教だった。