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自民党総裁選は「隠れ反安倍」が鍵を握っている

後藤謙次氏 ©文藝春秋

 安倍晋三首相と石破茂元幹事長が立候補し、9月20日に投開票となる自民党総裁選。安倍首相の「三選」が濃厚とみられるなか、政治ジャーナリストの後藤謙次氏に「総裁選の注目ポイント」を聞いた。

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ポイントは安倍氏がどう勝つか

 身もふたもない言い方かもしれませんが、安倍氏の三選は確実でしょう。安倍氏は既に竹下派の衆議院議員を含め党内5・5派閥の支持を固め、国会議員票の8割を固めたとも言われます。議員票と同数の党員・党友票でも首相が6割前後の支持を集めているとみられます。2001年の総裁選で小泉純一郎氏が『小泉旋風』を巻き起こして、党員・党友からの圧倒的な支持を獲得し、大本命の橋本龍太郎氏を破ったというようなことは起きそうにありません。出馬を模索し、断念した野田聖子氏も首相支持に回りましたし、ポイントは安倍氏がどう勝つかに移ったと見た方がよいでしょう。

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 その意味で注目なのが、島根県の党員票です。島根は、首相の出身派閥の会長である細田博之氏が衆議院1区から選出されている一方、石破氏の支持を表明している竹下派の会長竹下亘氏(衆議院2区)や政界引退後もいまだ影響力を誇る参院のドン・青木幹雄氏の息子の青木一彦氏(参議院鳥取・島根選挙区)も選出されている。両陣営にとって“負けられない”地域です。