昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

東京高裁“ブリーフ裁判官”の告白「なぜ、白ブリーフだったのか」

裁判官・岡口基一インタビュー #1

ツイッターに「不適切」な投稿をしたとして最高裁から戒告処分を下された東京高裁の岡口基一裁判官。白ブリーフ姿の写真投稿など、これまでにもSNS上の表現でお騒がせをしてきた現役判事は「表現の自由を逸脱」「裁判官に対する国民の信頼を損ねた」とする処分理由に、今何を思うのか。(全2回インタビューの前編)

岡口基一裁判官が語った

同期から「岡口さん、あなたはもうダメだと思う」

――戒告処分を受けて1カ月以上が経ちました。今日も東京高裁での勤務後にお時間をいただいていますが、裁判所内ではどんな気分で過ごしているんですか?

岡口 私は第22民事部というところで通常の民事裁判を扱っているのですが、今までと変わらず普通に務めています。まあ、私を辞めさせようという目立った動きもなく、ちょっと不気味なほどの沈黙が続いているのが逆に落ち着かないのですが。法務省から戻ってきたある裁判官が「岡口さん、あなたはもうダメだと思う」って飲み会で言うんです。

――ダメだと思うというのは「もう辞めさせられるよ」という意味ですか?

岡口 ええ。裁判官は憲法で身分が保障されていますから簡単にクビになることはありません。よっぽどひどいことをした裁判官は弾劾裁判で罷免されますが。では「辞めさせられる」とはどういうことかというと、「再任拒否」されることが考えられます。裁判官には10年ごとに「再任」されるという制度があり、裁判所当局が「再任拒否」をすればその裁判官は辞職に追い込まれます。でも、私の場合は再任まで時間があるし、どういう手で辞めさせられるのか……。不気味な沈黙が続いているとは、そういう状態なんです。

 

パソコンを開いたら「処分出ましたよ」って

――ご自身の処分についてはどのように知ったんですか?

岡口 弁護団からのメールで知りました。最高裁による私の審問のあとは「この日に分限裁判の結果が出るから」など知らされませんから、10月18日に戒告処分だと知った時はまさに寝耳に水でした。私は十分に審問されたとは思っていませんでしたから、こんな早急な判断があっていいのかとさえ思いました。その日はいつものように夕方5時、勤務時間終了後に持ち歩いているパソコンを開いたら「処分出ましたよ」って。弁護団にとっても寝耳に水で、弁護団長はマスコミから「記者会見やるんですか?」って質問を受けて、はじめて私の処分が決定したことを知ったそうです。

――ちなみにそのマスコミとは。

岡口 読売新聞です。