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「恋愛とセックス、もうしない」――内田春菊、大腸がんと人工肛門(ストーマ)を語る

内田春菊インタビュー #2

2018/12/13

大腸がん治療と人工肛門(ストーマ)装着を経て、「もう恋愛はしない」という内田春菊さん。がん経験者になって、お金と恋愛について、どんなふうに感じたのでしょうか。まっすぐに病気と人生に向き合う内田さんの本音に迫りました。

内田春菊さん

◆ ◆ ◆

15時間のフライトも、平気でした

──人工肛門になって、生活習慣などで変化はありましたか。

内田 さすがに夏場でも「ローライズに短いシャツ」みたいにお腹の出る格好はしなくなりました。ストーマが見えてもいいんですけど、なるべくなら出ない方がいいかな、と思って。でも、最近のものは本当に薄くなって使い勝手もよくなったので、ずいぶん楽になりました。そういう情報は、病院のストーマ外来でいろいろ教えてもらいました。

──海外旅行も行かれたとか。

内田 5月に仕事を兼ねてボローニャに行きました。ドバイ乗り継ぎで、乗り換えを含めて15時間くらいのフライトでした。主治医の山田先生からは「気圧の変化でバルーニング(パウチがガスで膨らむこと)することがあるから注意して」と言われましたが、平気でしたよ。機能性が高く、ちょっといいお値段のストーマパウチをつけていった、ということもありますが。

 

──ストーマパウチにも、種類があるんですね。

内田 はい、あります。面板(プレート)の素材や持続性で値段が変わってくるんですけど、私が使っているのは2ピースタイプ。4~7日使える800円のプレートと、500円くらいの毎日使い捨ての袋が組になったものです。1ピースタイプの場合は通常1~4日くらいで使い捨て、価格は400~1000円くらい。まあ、この後ず~っと続くと考えると、結構お金がかかるんですよね。

──お金の問題はよく聞きます。

内田 お金は偉大だなと思います。ほんと、ないと困るし。ありきたりですけど、私は保険に入っていて一時金をもらえたので、ずいぶん助かりました。でも古いタイプの保険で、一時金と入院のみが対象だったので、通院の抗がん剤治療にはお金がおりなかったんです。私はこの先10年間保険に入れませんが、抗がん剤治療が結構高かったほかにいろいろな気づきもあったので、保険は適当なタイミングで新しいものに見直しをしておくといいんだな、と思いました。

 

──国や自治体のサポート、支援などはないのですか。

内田 オストメイト(人工肛門を造設した人)は「疾病による直腸機能障害(4級)」という障害者なので、申請をすると装具購入費用の値引きクーポンがもらえるんですが、私、税金払いすぎてクーポンもらえなくなっちゃったんですよ。障害者手帳自体は有効なので、都営交通とか都営の公園の入園料はタダになりますが、ストーマのクーポンに関しては、子どもが4人いる母子家庭でも出ません、ってわざわざお手紙が来ました。一生懸命働いただけなのに~。