「夫の死をきっかけに発見したことをどうしても書きたい。これを書かずには前に進めないという気持ちで書いた作品です。夫も喜んでくれていると思います」

 小誌の取材にこう話すのは、「おらおらでひとりいぐも」(河出書房新社)で第158回芥川賞を石井遊佳さんとともにダブル受賞した若竹千佐子さん(63)だ。

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 史上二番目の高齢受賞となった若竹さんの異色の経歴が話題を集めている。

「55歳で本格的に小説を書き始めた遅咲きです。この作品でデビューを果たし、文藝賞を受賞しています。岩手県遠野出身で、臨時教員を経て結婚。小説家になるまでは一男一女をもつ専業主婦でした」(文化部記者)

 受賞作「おらおらでひとりいぐも」は、74歳の主人公が夫を喪った悲しみや孤独を抱え、新しい生き方を模索するさまを東北弁を交えて描く。

受賞作「おらおらでひとりいぐも」。タイトルは宮沢賢治の詩から

 去年11月に上梓されると、幅広い読者層に受け入れられ、累計発行部数はすでに12万部を突破している。

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source : 週刊文春 2018年2月1日号