現役時代は輝いていたエリートでも、定年後に生きがいを見失う例は多いと言う。「ライフシフトに備えよ」と言われても、何から始めればいいのやら……。そんな中、いち早く準備を進め、決断し、セカンドライフを謳歌する5人の元トップサラリーマンを訪ねた。(文=秋場大輔/ジャーナリスト)

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「人生100年時代」といわれて、ピンと来る人はどれぐらいいるだろうか。

 今年7月に厚生労働省が発表した2017年の日本人の平均寿命は、女性が87歳で男性が81歳だから、やや気の早いキーワードではある。だが国連の推計によると、日本の100歳以上人口は2050年までに100万人を突破する見込みだというから、そう遠い未来の話ではない。

 今、働いている多くの人は60から65歳、場合によっては70歳まで働き、残りの10~15年をどう過ごそうか……漠然とそんな風に人生設計していることだろう。しかしそれが「100歳」となると、定年後、30~40年間の人生があることになる。自ずと「設計図」の抜本的な見直しが必要になるが、これがなかなかの難題のようだ。これまで取材で出会ったビジネスマンの中には、「現役時代はあんなに輝いていたのに……」という人も少なくない。

 早期退職したはいいが、「毎日が日曜日」をどう過ごせばいいか分からず、開館と同時に図書館に駆け込んだり、裁判所で様々な裁判を傍聴してみたり、山手線を何周もしては虚しさを募らせる人もいた。縁もゆかりもないまま、田舎暮らしに憧れて引っ越したものの、余所者で町内会にも入れてもらえず、「移住難民」となってしまった例も耳にする。

 一方で、現役時代と同じく、あるいはそれ以上に楽しそうに「セカンドライフ」を送っている人もいた。その代表例というべき先達5人の人生を追ってみた。

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source : 週刊文春 2018年12月27日号