文春オンライン

「落合さんのとき、なぜ強かったか考えよう」父・小笠原道大から聞いた“勝利のアドバイス”

文春野球コラム クライマックスシリーズ2023

2023/10/20
note

ドラゴンズは「桃太郎」になって戦おう!

 打線に関しては、チャンスで打てない問題も大きかったです。

 私は、チャンスで打席に立っているドラゴンズの選手が、どこか孤立しているように感じていました。グラウンドのコーチャーの方、ベンチの選手や首脳陣から「よし、行け行け!」という勢いやみんなで後押ししている感じがあまり伝わってこなかったのです。

「俺についてこい!」みたいなチームリーダーがベンチにいないのも、ちょっと残念なところです。ベテランの大島さんは「俺の背中を見てついてこい」というタイプ。父もそういうタイプでした(笑)。

ADVERTISEMENT

 投手陣には、柳さんという素晴らしいリーダーがいます。野手はまだみんな自分のことで必死かもしれませんが、私はいつか石川昂弥選手が成績と気持ちでみんなを引っ張ってくれるチームリーダーになってくれると嬉しいです。先輩たちの引退試合で泣いちゃった龍空選手のキャラクターも素敵ですよね。ベンチが明るくなると思います。

 きっとドラゴンズは「桃太郎」みたいなチームになれば強くなるんじゃないでしょうか。

 みんなを引っ張る桃太郎がいて、サル、キジ、イヌが一緒に戦う。でも、桃太郎ひとりでは勝てません。若手の多いチームだから、成績もリーダーシップも一人で担うことはできないでしょう。だけど、みんなが少しずつキャプテンを担ってくれれば、もっと強くなるんじゃないかと思います。「まずはみんなで束になって戦おう!」という感じです。

 今年のドラゴンズは大きな波に乗れませんでした。なにせ79年ぶりに4連勝がなかったのですから。来年のドラゴンズは、大きな波に乗って大型連勝できるチームになってほしいです。

 勝ちを目指すのは当たり前のこと。大切なのは「こういう勝ち方をしたい」と選手やコーチ、スタッフ全体で共有できるかだと思います。そうすれば自然とチームに一体感が生まれて強くなっていくのではないでしょうか。

 大きなことは望みません。少しずつ、一歩ずつ、ドラゴンズには前に進んでいってほしいと思います。明日のために今日やるべきことを積み重ねていけば、きっと明るい未来が待っているんじゃないでしょうか。

 ところで今、父は家にいることが多いのですが、野球の話をたくさんするので、ふたりでYouTubeを始めてみようかな……なんて思っています。「ガッツチャンネル」とか(笑)。みなさん、見てくれますか?

©小笠原茉由

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム クライマックスシリーズ2023」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/66239 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

「落合さんのとき、なぜ強かったか考えよう」父・小笠原道大から聞いた“勝利のアドバイス”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!

文春野球コラム

中日ドラゴンズの記事一覧