かつてはニキビだらけの自分の顔に病んで、“自傷行為”に走ったことも……。ウィッグとメイクによって、自身を美しく見せる動画で好評を集めるのが「ハゲメイクの人」こと西村健太さん(27歳)。

 インタビュー後編では、メイクやウィッグによる変身を通じて「得たもの」についてフォーカス。ハゲメイクの成功が、彼の人生にもたらしたものとは――。(全2回の2回目/前編を読む)

「ハゲメイク」を通じて、西村さんが得たものとは?(写真:インスタグラムより)

ウィッグを取る姿を恋人はどう思う?

──西村さんの中では、メイクしてウィッグをつけた自分のほうがしっくりきますか?

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西村 状況によるかなと思うんですけど、友達と家でゲームをして遊ぶときは絶対ノーメイクのほうがいい。メイクすると自分の中でキャラクター性みたいなのが出てくるというか、かっこつけちゃうんです。

──わかる気がします。彼女のお話が出たのでお伺いしたいのですが、恋人とお付き合いするときもウィッグやメイクをつけた状態で交際しているんですよね?

西村 そうですね。これもラッキーかもしれないですけど、彼女がいたときも何か言われたことないんですよね。彼女の目の前でウィッグを取ったとしても、それでどうこうなった、ということは一度もないです。

ニキビに悩みすぎて「自傷行為」に走ったことも…

──取材前は勝手ながら「薄毛にコンプレックスをお持ちなのでは」と想像していたんですが、お話を伺うと、西村さんはとてもポジティブに捉えているんですね。

西村 ニキビも薄毛も、解決に至っているものに対してはポジティブかもしれないですね。ただ「これでいいや」となる前は、正直、病むことはありました。

 ウィッグや化粧という解決策が見つかる前は、ずっと「外に出たくないな」と思っていました。やばい時期は……、よく覚えてないんですけど、なんだったんだろう、あれ……。自傷行為、みたいな。

 ニキビを治す薬を塗っても治らないから、明らかに塗布しちゃいけない酸性のスプレーを、自分に吹きかけちゃう、みたいなことをしたり。でも、そういうハードルを超えたら、もう特に気にしなくなりましたね。

インタビュー後、西村さんにハゲメイクを実践してもらった ©三宅史郎/文藝春秋

──解決策を見つけて、ご自身のメンタルはどう変わりましたか?