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誰が書いたかが、重要な時代になってくる

誰が書いたかが、重要な時代になってくる

スマートニュース株式会社執行役員 藤村厚夫さん #2

2017/02/02
note

テクノロジーとの戦いはテクノロジーにさせなければいけない

――アルゴリズムで作るというのも、批判を惹起しやすいシステムなのでしょうね。

 それはそうだと思います。これまで世の中になかったものが現れれば、内側になにがあるのかを見たくなるのは自然なことですよね。長澤さんが編成の根幹を示せ、透明性を担保すべきとおっしゃるのは、ビジネスとしてできることの限界はありますが、基本的にはその通りだと思います。

 

――長澤さんは「ヤフーにチャンネルプラスをやるべきだと言っている」ともおっしゃっていました。SmartNewsのように、コンテンツ提供者のブランドを維持すべきだという意見です。それも含めて、藤村さんから見てSmartNewsはヤフーニュースとは別のものですか?

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 どうなんですかね(笑)。人間による編成も、アルゴリズムによるそれも、同じ高みを目指してはいるんだけど、山のどちら側から登るのかの違いかなと思います。編成されたメディアが人の関心、感動を生むとして、山のどちら側を選んでも簡単なことではありません。人間が汗を流しているから尊くて、機械がやっているから薄気味悪いというのは、じきに払拭される現象だと感じていて、今は過渡期なのだと思います。365日、24時間人間が汗を流さなくても稼働する仕組みを作ることは、何よりも人間に寄与することだと思いますので。

 むしろ機械がやるべきことを人間がやると痛ましいことになるというのは、ここ最近のキュレーションメディアで起こった出来事を見ても明らかです。機械でオートマティックにできることがあるのなら、それはそれでしっかりと追求すべきです。