文春オンライン

院長! 私の顔を歌舞伎町のホストみたいにしてください──高須克弥院長インタビュー

高須院長に美容整形のことをマジメに聞いてみた。<第3回>

2017/04/18
note

北朝鮮に美容整形のクリニックを作ろうなんてやつは叩き殺すよ

鳥集 美容整形というのは、アイデンティティが変わるくらい顔を変えるのではなく、コンプレックスを解消して人の心を晴らすという目的のために存在すべきなんだと、以前、別の美容外科医から聞いたことがあります。

高須 そういう偉そうなこと言ってる医者にかぎって、実際はケチくさいことやってるんですよ(笑)。コンプレックス解消だけじゃ食っていけないから、コソコソ陰でそれ以上のことやってると思うよ。口じゃどんなに偉そうなこと言ってても、僕の前じゃおとなしい医者は多いですよ。

鳥集 結局、美容外科の「社会意義」というのは、どこにあるのでしょうか。

ADVERTISEMENT

高須 美容外科は、幸福医学なんです。治療医学と予防医学の次に来る、+α(プラスアルファ)が欲しい人のための医学です。学校給食は形成外科で、高級レストランが美容外科。なくていいんです、そんなもん。お金もあって、健康で、余暇もあって、さらに+αが欲しいという人の幸せのお手伝いをしているだけなの。貧しい人に整形なんか勧めちゃいかんのです。

 北朝鮮に行って、美容外科クリニック作るっていうやつがいたら、叩き殺してやりますよ。韓国の富裕層を相手にするのだったら、技術協力でもなんでもしてあげるけど。怪しい宗教みたいに「整形したらお金儲けできる」とか、「これからは幸せになれる」とか、「お金持ってないなら今日だけ半額」とか言って、貧しい人からお金を巻き上げるようなことをしちゃイカンの。余裕ができたら初めて、やってあげてもいいよと言うだけです。

 僕も美容外科医だけをやっているわけじゃなくて、地元の愛知県西尾市の高須病院で老人医療をやってるんです。週のうち2日間は東京に出て、高須クリニックで美容外科医をやっていますけど、残りは地元で老人医療をやってるの。そっちのほうが大事ですよ。

「美容外科は幸福医学。治療医学や予防医学の先にあるものなんです」 ©三宅史郎/文藝春秋

鳥集 北朝鮮だったら、「整形する前に国民を食わせろ」という話になるわけですね。

高須 美容整形をやっていいのは「喜び組」(指導者層に奉仕するために、選りすぐりの美女を集めて作られたとされる北朝鮮の組織)の人と、金一族だけ。脂肪吸引やったほうがいいのってアノ人だけだもんね(笑)。一般の北朝鮮の人が脂肪吸引やったら、もともと栄養が足りなすぎるから、死んじゃいますよ。

見た目と中身のギャップは…すごく感じる!

鳥集 高須院長はご自身にもたびたび若返り手術をなさっていますよね。西原理恵子さんの漫画ではよく、「見た目は若いが中身は老人」と揶揄されていますが、ご自身の見た目と体の感覚とにギャップを感じることはありませんか?

高須 すっごい感じる! …だからこのところ若返り手術はやってないの。またやっちゃうと大事にしてもらえなくなるから(笑)。弱っていても元気がよさそうに見えちゃうのね。今はね、電池が切れてくるから18時過ぎると横になってしゃべったほうが楽なんです(このときすでに時計の針は19時近くをさしていた)。

 今日はあなたと初めてお会いするから座っていましたけど、2回目の取材からは横になるのを許していただければ(笑)。これならいくらでもしゃべれますよ(と言いながらソファに寝転がる)。3時間とか、4時間とか、インタビューやるときは悪いけど、これでやらせてもらってるの。でも失礼でしょ。

鳥集 いやいやそんなことはないです。西原理恵子さんの漫画でもっとメチャクチャ描かれてますから、横になられたぐらいでは何とも思いません(笑)。

「夕方18時過ぎると電池が切れちゃうの」 ©三宅史郎/文藝春秋