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山本 一郎
2017/04/13

ZOZOTOWN「ツケ払い」で新たなる消費者金融問題が勃発

ショッピングサイト併設サラ金という新たな業態に恐怖する日々

 女性モデル紗栄子との交際が伝えられたり、3億円で買った車が事故るなど派手な話題を振りまく事業家・前澤友作さん率いる新興ネットショップ「ZOZOTOWN」。最近になって、そのZOZOTOWNの成長を支える一角が、「ツケ払い」という名のローン事業であることでにわかに騒がしくなっているわけですよ。ツケ払いって言われるとずいぶん古典的で懐かしい商売のようにも見えます。

©iStock.com

利用する人に金融リテラシーがあるとは限らない

 ついにはこのツケ払い、テレビコマーシャルも始まりましたけど、結論から言えば未成年者に事実上親の承認なく2か月後に支払いをさせるこのツケ払いサービスは、手数料(金利)を払う形のローン以外の何物でもないんですよね。いったい、このローンは誰を念頭に置いたサービスなのでしょう。決済上限が「5万4千円」という微妙な金額を見ても、5万円ですら2か月先に支払いを先のべしたいと考える、あまりお金のない利用者を想定していることが分かるんで、売り物になっている「リアルタイム与信」がスマホ上で完結するのも一時期流行した消費者金融の無人契約機を彷彿とさせます。

 しかも、このツケ払いのサービス元となっているGMOペイメントゲートウェイ社(以下、GMOPG社)がクレジットカード番号を72万件流出させてしまうという不名誉な事件を起こしたりしています。もうちょっと丁寧に個人に関する情報を取り扱ってほしいと願うところですが、それ以上に消費者問題勃発の香りを感じさせるのは、この「2か月後のツケ払いを支払えなかったらどうなるのか」が規約その他では明記されていないという点です。しかも、このツケ払いでは支払先はZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ社ではなくGMOPG社の連結会社であるGMOペイメントサービス社(以下、GMOPS社)が窓口となっており、支払う手数料324円もこのGMOPS社が相手になっています。つまり、ユーザーはZOZOTOWNで買い物したと思っても、代金はGMOPS社が先に支払っていて、後からユーザーはGMOPS社に弁済するというスタイルなわけですね。もちろん、ツケ払いを実施するまでに利用規約に合意することになっていますが、果たしてこの仕組みをしっかり分かって契約している人がどれだけいるのか分かりません。なんてったって、目先の5万円の支払いができなくてツケ払いする人たちにそういう金融リテラシーがあるとは限らないわけですし。

 一方、ネットでの騒ぎの広がりを見た前澤友作さん、自身のTwitterでは「キャッシュアウトが先送りされることで、キャッシュフローの改善につなが」るとしたうえで、一部でスタートトゥデイが貸金業に進出したというような批判にはあたらないと愚痴っておられました(現在はツイートを削除)。お客様がワクワクしながら洋服を探して買ってくださった2か月後、そのツケ払いの督促を他社の金融業者にやらせるその姿勢、とても素敵です。

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