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大山 くまお
2017/04/29

今村大失言にみる、政治家「寄り添う」発言のテンプレ化

私たちはいつまで失言に寄り添わなければならないのか

genre : ニュース, 政治

今村雅弘 前復興相
「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」

産経新聞 4月25日

 名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。超ド級の失言が出た。東日本大震災から6年、復興のリーダーとなるべき復興相が「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と言い放ったのだ。すぐさま復興相を辞任したが、事実上の更迭である。

 25日、自身が所属する自民党二階派のパーティーで壇上に立った今村氏は、笑いながら「お騒がせしております」と挨拶。これは今月4日、福島県などからの自主避難者に対して「自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と発言し、その後、質問をした記者に対して「うるさい!」「出て行きなさい!」と激昂したことを指す。その後、「自己責任」という発言については撤回して謝罪したが、この日のスピーチでは一連の騒動をツカミにしようとしたのだろう。反省ゼロである。そして、その1分後に大失言が飛び出した。

 資料を読み上げている部分ではなかったため、「今村復興相の本音が出た」という指摘も相次いだ。当初は強気なまま、辞任を否定していたので、失言したという意識もなかったのだろう。そもそも復興相に就任した際も「復興相かあ……」と落胆していたという(後に本人は否定/『週刊文春』4月20日号)。自主避難者に対して「故郷を捨てるのは簡単」と発言したこともあった(『日曜討論』3月12日)。「自己責任」発言のときには「質問した記者が悪い」と今村復興相を擁護する声も多く上がっていたが、まったく的外れな擁護だったわけだ。

事実上の更迭となった今村前復興大臣 ©時事通信社

「聞いた瞬間、身が凍るような衝撃を受け、怒りがわいた」

 今村氏への怒りは日本列島を駆け巡った。桜井勝延南相馬市長は「震災で犠牲となった約2万人に対する冒涜だ」と憤激した(河北新報 4月26日)。達増拓也岩手県知事は「聞いた瞬間、身が凍るような衝撃を受け、怒りがわいた」とコメント。また、陸前高田市から盛岡市に避難している男性は「大臣になりたいだけで、復興のことが頭にないのだろう」と切り捨てた(産経新聞 4月27日)。4日の問題発言の後、いち早く今村氏の釈明インタビューを掲載した地元佐賀新聞も突き放した。被災地の支援活動を行う佐賀の女性は「被災者に対して恥ずかしいし申し訳ない」と嘆いている(佐賀新聞 4月26日)。

 安倍晋三首相も今村復興相の度重なる失態にブチ切れた。国際情勢は緊迫したまま、テロ等準備罪、家庭教育支援法案の成立を目指す大事な時期でもあり、自らは森友学園問題や加計学園問題を抱える身。そんな中で政権内の失言や失態が相次いでおり、安倍政権の「緩み」「驕り」を指摘されていた折だったからなおさらだ。

「極めて不適切な発言があった。任命責任は私にある。こうした結果になったことについて、心から国民の皆様におわびする」(日本経済新聞 4月26日)と謝罪したが、どうしてこんな人を任命したのか説明が聞きたいところだ。

「そもそも復興相ポストは、当選を重ねながら入閣できない『待機組』に実績を与える調整に使われ頻繁に交代を繰り返してきた」という指摘もある(北海道新聞 4月27日)。後任の吉野正芳氏も国会議員歴18年目で初入閣ということだが……。