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内田 良
2017/05/15

「職員室のタブー」 教師は「部活問題」を語れない

沈黙を強いられる先生たちの「静かな反乱」がはじまった

密かに展開する「レッドシールキャンペーン」

 いま、密かに学校の職員室に拡がりつつある草の根活動がある。

提供:部活問題 対策プロジェクト

「レッドシールキャンペーン」とよばれる活動で、部活動問題について机の片隅に赤いシールを貼ることで意思表示しようという試みである。今年の2月下旬に、ネット上で呼びかけが始まった。

 キャンペーンを提案したのは、今日の部活動改革を牽引する「部活問題 対策プロジェクト」の先生たちである。

 プロジェクトメンバーは、こう語りかける――「部活問題に関心があるけれど、職員室では話題にしづらい、なかなか相談できないと思っている先生はいませんか?そんな思いを抱えた先生同志がつながるためのキャンペーンを提案します!」(「レッドシールキャンペーン」のページ)。

 レッドシールの魅力は、部活動の問題に関心があることを「『暗に』意思表示」するところにある。

職員室でコソコソしなくてはいけない理由

Twitterアカウントに赤丸を付す先生も増えている

 キャンペーンを知らない教員にとっては、ただのシールであるが、知っている教員にとっては仲間を見つける手段になる。「これが『部活問題に関心がある』ことの意思表示になります。もし、同じ学校であなた以外に赤いシールを見つけたら声をかけてつながりましょう」とプロジェクトメンバーは訴えかける。

 つい先日のこと、ある先生が、「今日、レッドシールを見つけました。今度話しかけてみようと思います!」と嬉しそうに語っていた。ネット発のまったく目立たないキャンペーン(それこそが魅力である)によって、リアル職員室で先生たちが少しずつ、つながり始めている。

 しかしながら、不思議に思う読者もいることだろう――なぜ、こんなにコソコソしなければならないのか?

 中学校や高校の教員は、平日の夜も土日も仕事。その主たる理由は、ご存知のとおり部活動である。この数年、マスコミが教員の過重労働、働き方改革について啓発活動を積極的に進めてくれたおかげで、ずいぶんと世論の問題意識も高まっている。

©iStock.com

 けれども、職員室のなかでは、「部活問題を語ることなかれ」なのだ。なぜなのか?

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