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内田 良
2017/05/29

「真由子ブログ」が原点 “ブラック部活”と“やりがい搾取”

部活動改革のカリスマ「真由子先生」が陥りかけたワナ

 今日盛り上がりを見せている「ブラック部活」問題の原点はどこにあるかと聞かれれば、私は「真由子ブログ」と答える。

 正式のブログ名称は「公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!!」。顧問の負担軽減をネット上で訴えている先生たちが必ずと言っていいほど訪れ、多くの追随者を生み出しているブログである。2015年には、「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」の話題賞を獲得している。

真由子先生による「公立中学校 部活動の顧問制度は絶対に違法だ!!」

部活動改革の原点「真由子先生」とはどんな存在か?

 真由子氏は、現役の中学校教員である。

 2013年3月24日、「はじめまして 教員5年目、真由子(仮名)といいます。もろもろの事情あり、公立中学校における部活動制度がおかしいと感じています。部活動の定義、また顧問の在り方について書いていきます。よろしくおねがいします」と、真由子氏は第一声を発した。

 以来、氏は公立中学校の教員の立場から、今日に至るまで現場の実情を発信し続け、いまや部活動改革のカリスマ的存在になっている。真由子氏を含む6名の教員から構成される「部活問題対策プロジェクト」(2015年12月に設立)も、ネット署名をはじめとして順調に啓発活動を展開してきている。

©iStock.com

「職員室のタブー」を突き破ったブログ

 中学校では「部活動を指導してこそ一人前の教師」という文化があるため、部活動の不満を言うことは「職員室のタブー」である。

 真由子氏は職員室では発することのできない声を、インターネットという手段を用いて世に発信した。その問題提起はマスコミにも届き、毎日新聞の社説「部活動の顧問 『真由子』はわがままか」(2014年11月3日)は、いまや伝説の記事となっている。

 かくいう私も、部活動改革の記事を積極的に発信することになったきっかけの一つに、真由子氏の活動がある。ブログを拠点としていた氏が2014年12月に入って、ついにツイッター上での情報発信を始めた際に、「これは新しい動きにつながるかもしれない」と思い、私も部活動改革関連の記事執筆を開始した。