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【ヤクルト】伊藤智仁のここだけの話 近藤一樹の活躍の陰にルーキあり

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/06/05
note

「オレはヤクルトのためなら、何でもするぜ!」

――スミマセン、暗い話ばかりさせてしまって……。じゃあ、ハッピーな試合は?

伊藤 ハッピーな試合……。ドームの巨人戦、由規が投げた試合(17日)ですね。あっ、翌日の石川が投げた試合もハッピーだったな(笑)。石川の後の近藤(一樹)もいい仕事をしてくれました。ベストを選ぶとしたら18日かな? 4人の継投で1対0の完封劇。全員がいいパフォーマンスを披露してくれた。まさに感謝しかないです。

――では、5月のMVPは?

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伊藤 ……5月か、誰がいるかな? あっ、コンちゃんですね。近藤です! 開幕までは、彼も先発候補の一人だったんです。一つひとつのボールは、いい球を持っているんだけど、彼の欠点と言えば、ちょっと力任せ、アバウトなところがあるんです。そこで連打を浴びるケースもある。でも、僕自身は彼を高く評価していました。そこで、「どこで使えばいいのか?」を考えていたときに、ショートリリーフであれば、より強いボールが投げられる。そうすれば多少甘くてもファールになるかもしれない。そう思って、あの役割を任せました。すると、投げるたびに内容がよくなった。常にしっかり投げ切れるようになったので、大事な場面を任せられるようになりました。

――6月に向けての明るい展望はありませんか? 後味のいい原稿にしたいんです!

伊藤 先発ピッチャーがよく頑張っているのは確かだし、星であり、原樹理であり、若いピッチャーがすごく伸びていますよね。ヤクルトの未来は彼らの右腕にかかっています。彼らはシーズンに入ってからも、かなり成長しています。彼らがチームを引っ張っていってくれることに、すごく期待しています。

――さて、最後に一つだけいいですか?

伊藤 えっ、何?

――前回、「ルーキは成長している」とおっしゃっていましたけど、その後の変化は?

伊藤 彼は5月だけで15試合も投げていますよ。どうしても、「敬遠暴投」の印象が強いけど、彼は文句ひとつ言わず、毎試合、いい準備をしてくれているし、ビハインドの場面でも、「それもオレの仕事だから」といとわずに投げてくれる。彼がいるから、石山も、秋吉もここまでもっているんです。近藤の活躍の陰にはルーキの頑張りが大きいんです。彼は、「ヤクルトためなら何でもするぜ!」と人一倍、このチームを愛していますよ。ワンポイントで、鈴木誠也を三振に取った場面(9日・広島戦)はしびれたし、感動しましたよ。

――だんだん、僕もルーキのことが好きになってきました(笑)。これから、毎回「今月のルーキ」を質問します。ぜひ、最新ルーキ情報を教えて下さい!

伊藤 ハハハハハ。いいね、「今月のルーキ」、ぜひやりましょう!

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/2799でHITボタンを押してください。

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